#26 開いちゃった?!
異世界で時空魔法といえば、絶対やってみたいことがあるよね。
実をいうと、キャリィを造って時空魔法が扱えるとわかったときに試してみたことがあった。
ラノベで定番の異次元収納、あれば絶対便利なものだからそれをイメージして生まれたドローンがキャリィだった。
それならといろいろイメージしてみたのに、どうやっても造れなかったモノ、それは『転移魔法』。
いろいろイメージを変えてみたけど、どうしても創造スキルを発動させるところまでイメージを確定できなかった。
考えられる失敗の原因は、知識不足、イメージが不完全、魔力不足、スキルレベル不足・・・などなど。
最悪のパターンだと、転移魔法は存在しないという可能性もある。
だからといって、どうしても転移魔法を諦められない私は魔法陣ならと期待が膨らむ訳なのですよ。
うまくいく目算もたたない実験なので、一人でこっそりと街からそれほど離れていない人気のない場所に来ています。
まずは必要なドローンの創造から。
今回は何ができるかわかっていない時空魔法なので、具体的な効果などはイメージせずにただ時空魔法が使えるドローンというのをイメージしてみたが、あっけないほど簡単にイメージが確定した。
固まったイメージでハーフサイズのドローンをまずは4機創造してみた。
魔法陣運用を考えているから『レコード』も忘れずに付与しておく。
セイバーやテクトたちがタブレットサイズだとしたら、今回造ったハーフサイズのドローンはスマホサイズといった感じで、すっごくカワイイ。
これでコモンサイズ2機分のコストを消費かぁ、まあ悪くはないよね。
この子たちの名前は「クロノ」にした。
安直だけどクロノワン、クロノツー、クロノスリー、クロノフォーって呼ぶことにする。
笑ってもいいよ、私ってネーミングセンス無いもんねぇ、アハハ。
とりあえずは初級魔法陣、早い話が正三角のフォーメーションを試してみますか。
まずは、魔物を超高熱スチームで焼いつくしたあの魔法陣をミニミニサイズにして衝立みたいに正面に展開、クロノたちは所定の位置に滞空させます。
そして、クロノたちに時空系魔力をまずは少しだけ注いでみよう。
・・・・・、何も起きない。
それならと、少しずつ注ぐ魔力を増やしてみると、なにか手ごたえらしきもの感じるようになった。
ならばと、さらに魔力を込めてみたんだけどあるレベルでいきなり魔力が霧散してしまった。
多分これ以上は、やっても無駄なんだと思う。
「むううーーぅ。よしっ、次いこ。」
ということで、この魔法陣は終了~ぉ。
次は・・・と言っても他の魔法陣を見たことがないんで初級魔法陣を真似て自分で考えた正方形パターンを試してみよう。
さっきと同じサイズで前もって考えてた魔法陣を展開、今度は4機のクロノを浮かせて実験再開っと。
ゆっくりと魔力を注いでみる。焦るな、焦るな・・・。
さっきの魔法陣と違って、かすかな手ごたえがだんだん明確になってきた。
「なんだろ、この感覚?
クロノたちの間を魔力が巡っている感じかなぁ。」
そのままの状態で、しばらく観察してたけど特に変化なさそう。
「それじゃあ、もう少し魔力を込めてみますか。」
込める魔力が増すほど、クロノたちの周囲で魔力が渦巻くような感覚が強くなってくる。
「ちょ、ちょっと待ってよ?!
込める魔力が半端なくなってきたよぉ。
どこまでも吸い取られる感じだけど、一体どんだけ魔力を食うんだよぉ。」
確実に変化が表れているんで、途中でやめるわけにもいかない。
このままじゃ倒れるかも、と思うほどの魔力を注ぎ込んだところでクロノたちが作る四角形が劇的な変化を起こした。
「何、この黒いパネル? いやこれって穴? もしかして異空間??」
目の前に現れた謎の現象に驚いていると、唐突に脳裏に空間マップが現れた。
「これって、サテラの探査した地形情報をマップ化したものだよね。
なんで、いきなり?」
脳内に現れた周辺の3Dマップ。
あれ? 何か見たことのない表示がある、これってカーソル? もしかしてターゲットマーク?
ターゲットマークは思い通りにマップ上を動かせたけど、これをどうしろと?
適当に動かしていたマークを、マップ上でちょうど目の前100mほど先にあたる場所でロックオンしてみた。
意識を実際の視界に戻して見えたものは、100m先にある黒い四角形。
「えっ、あれってもしかして?」
慌ててクロノたちが作った謎の四角形を見てみると・・・。
「うわああーー・・・、マジでできちゃったよ、転移魔法??
いや時空ゲートが開いちゃったのかも?!」
クロノたちが作る四角の窓の向こうに、呆然と立ち尽くす私の姿が遠くに見えていた。
読んでいただきありがとうございます。
はい、お約束の移動魔法です。
でも・・・、当分活躍の機会はないんだよなぁ。
これからも応援してもらえるとありがたいです。




