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#22 やらかしちゃったぁ?!

「とにかく、ハバネがやらかしたこの状況をごまかす言い訳を考えよう。」


 ルミーナの仕切りで緊急青空会議と相成りました。


「ハバネはちょっとやらかし過ぎ!」


「やらかしちまった以上、ごまかし通すしかないな!」


「ハバネは、ちょっと、常識を、覚えたほう、が良い!」


 あーでもないこーでもないと、かなり私をディスってる気がするけど意見出し合って、ほぼ言い訳の内容が決まった。


「じゃあ、魔物に関しての経緯は、

 魔物の群れを確認した私たちが、この狭い窪地になんとかかんとか誘導したうえで、風使いであるフィーリアの風魔法に合わせて、私たちが火属性攻撃を無我夢中で繰り出してたら、うまく二つの魔法が合わさって、思わぬ威力になって、魔物の群れを丸焼けにすることができました。ただみんな必死過ぎて自分がどうやっていたか殆ど覚えていませんでした・・・・と。

 あとはみんなで口裏合わせて、これで押し通すんだよ、わかった?」 


「フィーリアが、心配。とりあえず、自分の風魔法のおかげ、妖精は凄い!、これ以外、喋っちゃ、ダメ!」


「おおう・・・、わかってるってぇ。

 まあ、アタイの風魔法が凄いのは本当だしな。」


「獣人の私は火魔法なんて使えないけど・・・、まあ、持ってた火魔法系スクロールを使いまくったってことにしとこっか。」


 こんな感じでギルドその他への言い訳が準備できたところに、近づいてくる人影があった。


「おーい、お前ら! ちょっといいかぁ。」


 使い込まれていながらしっかり手入れされた軽装鎧をまとったちょっとイケメンなハンターがこちらに向かってきていた。


「ちょっと聞きたいんだが、お前たちはギルクを助けてくれたハンターってことでいいのか?」


「ギリクって誰? っていうかあなたは?」


 首をかしげる私に、ベテランハンターの佇まいを漂わせたイケメンさんが私たちに声をかけてきた。


「ああ、すまない。

 俺は『紅炎の円舞(クリムゾンダンス)』ていう三ツ(ぼし)パーティでリーダーやってるシュレーム アスアルクだ。

 ギリク、ギリク ガルダは同じパーティの仲間で、向こうで倒れていたハンターだよ。

 治療の形跡があったんだが、あれはお前たちだろ?」


 私の質問に答えながら自分や仲間のことを質問するシュレーム。


 どうやら、さっき助けたハンターのお仲間さんのようだが、

 だとするとヒュドラに遭遇してバラバラに逃げたっていうパーティメンバーなんだろうか。


「はい、あの人は採取依頼で私たちがここへ来たときにはすでにボロボロの状態でした。

 なので、急いで治療しました。その時、魔物の群れが迫っていたのでその人が巻き込まれないよう

 私たちが別の場所に誘導してたんです。」


「そうだったのか、それに関しては礼を言う。

 パーティで一番足が速いアイツが囮を引き受けて、そのスキを突いてに俺たちがギルドへ報告に駆け込む手筈だったんだ。

 ギルドへの報告は済んでるから残りのメンバーと一緒にすぐに応援も駆けつけるはずなんだが・・・、

 その魔物たちは今どこにいる?」


 あの人の仲間はうまくギルドにたどり着けたらしい。


 でも、どうしよう?!


 魔物の群れはもう倒しちゃったよぉ!?!


 私たちでさっき考えた言い訳が通用するかな? うーん、どうしよう。


「おい、お前ら。

 魔物の気配が全く感じられんのだが、一体どこまで引っ張っていったんだ?

 このままにしておけるような奴らじゃないからな、応援が来次第すぐに迎え撃たないとならん。」


 ええーぃ! トボけるのはもう無理だし、出たとこ勝負じゃい!!


「あーー、えーーと、

 迫ってきていた蛇の大群ですけどぉ、あのー、私たちでそのー、全滅させちゃいましたぁ。」


「はぁー?! お前、ナニわけのわからんこと言ってるんだ?

 街のハンターたちを動員しても対応し切れるかって言うほどの凶悪な群れだぞ!

 一つ(ぼし)のお前らごときに何が出来るっていうんだっ!!」


 うわぁー、やっぱそういう反応だよね。


「えーと、この近くにちょうどイイ感じの場所があったんで、私たちでそこに誘い込んだんです。

 それから、仲間の妖精に強力な風魔法を使ってもらって、私たちも死物狂いで火魔法を叩き込みました。

 それはもう必死で、その時のことをよく覚えていないほど無我夢中でした。

 そしたら、いつの間にか魔物の群れが丸焼けになってたんです。

 ハッキリ言って、何がどうしてどうなったのか私たちにもよく分かりません!!

 とりあえず、ここにあるのがその魔物たちの燃えカスです。」


 とにかく反論の余地を与えないつもりで、一気に捲し立てました。


「おいおい?!

 そいつら、なんの魔物かわからないぐらい消し炭になってるじゃないか!

 だが、ここに魔石の山が散らばっているんだから確かに魔物だったようだな。

 それにしても信じられん! この数をお前たちだけでかっ?!」


 実は魔物たちを倒した跡をしばらくして見直したとき、私はびっくりした、


 倒してすぐに見たときは、燃え尽きた死体というか消し炭しかなかったのに、

 そのときは目の前にはたくさんの魔石が消し炭の山の中でキラキラ輝いているのだ。


 リーリィの説明では、この世界では魔石は常に魔物の体内にあるわけではないらしい。


 魔物を倒すと、その時点で内包していた魔力が体内で結晶化して魔石となるらしい。


 つまり、魔物は死んだ後から体内に魔石が作られるのだ。


 だが、今回私たちは死体が残らないほど瞬間的に消し炭にしたため、残った魔力は体外で結晶化したようだ。


 そしてできたのが、目の前にある魔石まみれの消し炭の山というわけだ。


 まあ、血まみれになって解体しなくて済むのはありがたいんだけどね。


 目の前の光景を見て、呆れたように頭を掻くシュレーム。


「この魔石の数を見る限り、追手の群れが倒されたのは事実のようだ。

 とりあえず、確認の人員を残して俺たちは一旦街へ戻るぞ。

 お前たちも一緒に来い。詳しい話をギルドで聞かせてもらおう。」


 ついて来いと促すシュレームに、顔を見合わす私たち。


「どうする?

 きっとイロイロ根掘り葉掘り聞かれると思うんだけど。」


「ハバネは目立ちたくないんでしょ。

 なら、あの言い訳で押し通すしかないんじゃない。」


「無我夢中だった、詳しいことは、覚えていない、これで押し通す、それだけ。」


「オイラとアオは宿屋で寝てるよぉ。話し合いとかかったるいだけだしな。」


 ごまかし通すという方針を再確認する私たちは、とりあえず倒した魔物たちの魔石を回収して街へ戻ることとなった。


 戻ってそのままハンターギルドへ向かうんだけど、そこで私たちは今森の奥深くで何が起きているかを知ることとなるんだよね。


読んでいただきありがとうございます。


これからも応援してもらえるとありがたいです。

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