私達の恋バナ?
私は せっかくの休みの日なのに
いつもより早く起きて
発明品の準備をしだした
「ん…なんだ? もう起きてんのか?」
「うん! せっかくの休みだからね」
「しょうがねぇから
俺も手伝ってやる…」
ロボットなのに
眠そうに目を擦りながら
私の手伝いをしてくれる
紅什は 少し優しそうにみえた
そして 昼頃
博士も起きている時間帯になると
「おーい 明河!
ちょっと頼み事があるんだが」
「はーい、今行きます」
「準備中に悪いなぁ」
「いいんですよ」
「じゃぁ これを錬二の
ところまで頼んでいいか?」
「錬二さんの所に?」
「あぁ 頼んだぞ」
「はい、分かりました」
博士から 錬二さんに
届け物なんて珍しい
何かあったのだろうか…と思いながら
私は スクーターを走らせた
「錬二さん、博士から
預かり物ですよ」
「…おぉ 明河か、まぁ入れ」
錬二さんの部屋は
博士の部屋よりずっと綺麗だったけど
なぜか錬二さんは機嫌が悪いように見えた
「これか…ありがとな」
「はい、中身は何が入ってるんですか?」
「これは…三色団子だな…」
「駅前の有名店ですね」
「海千は なぜ俺にこれを…」
「たしか三色団子が好きなのって
ユナさんでしたよね?」
「そうだな… 海千の奴 余計な真似を…」
錬二さんには 博士が
三色団子を送った理由が
分かったようだが
私には まだ分かっていなかった
「好きな物を間違えるなんて
マスターは ボケてるのか?」
「そんな事言わないっ!」
「あぁ あいつも おかしな所は
あるが ボケてはねぇだろうな」
「じゃぁ なんで 博士は
これを 錬二さんに…?」
「まぁ それは 麻宮から聞け」
「ユナさんにって…今から
私が届けるってことですか!?」
「ありまえだろ、ほら 行ってこい」
私と紅什は 錬二さんに
家から出されて
しょうがなく ユナさんの家に行った
「あら、メイちゃん!?
それに イケメンくんじゃない!
さぁ 入って入って!」
「あ、ありがとうございます…(汗)」
「邪魔するぞ」
「ユナさん、これ…錬二さんからです」
「はぁ? あの チビから?」
「マスターから 飯田に届けたが
飯田が これはお前の好物だと言ったから
届けに来てやったんだ」
「あたしの 好物…?」
ユナさんが袋を開けると
眉間のシワがスーッと無くなった
「これ! 駅前の有名店じゃない!
嬉しいわ〜! 錬二 覚えててくれたのね!」
「そんなに 喜ぶ事か?」
「あたりまえじゃない!
あたし ずっとこのお店のが
食べたいって言ってたのよ〜!」
「でも なんで 博士は錬二さんに
届けさせたんでしょうか?」
「あら、 分からなかった?
いいわ、今お茶をいれるから
ゆっくり話しましょ」
そう言って ユナさんは
キッチンでお茶をいれてくると
三色団子を私達にも出して話を始めた。
「あたしとあいつ 最近
喧嘩してたのよ…」
「飯田と 喧嘩するのは
日常なんじゃなかったのか?」
「それと これとは 別なのよぉ〜!」
ユナさんの話は
いつもと変わらない錬二さんとの喧嘩の話で
今回は 食事の時に隣同士で 頼んだものを
反対に出されたので 2人で喧嘩になったとか…
「いつもなら 自然に解決するのに
想像以上に あっちが怒っててね〜」
「なんでそんなに怒ってたんですか?」
「ほら、あいつって甘い物苦手じゃない?
だから あたしの 甘口カレーを
間違えて食べて すっごい怒ってたのよ!」
「錬二さん、カレーは
辛くないといけねぇ!って
言ってましたもんね」
「あたしだって あいつの
辛口カレーたべて 唇が腫れちゃったのよ?
あれから リップを塗るのも痛くて…」
「そんなの 塗らなくていいだろ」
「いつでも可愛くいたいのよ!」
「お前は男じゃないのか?」
「もう、 イケメンくんまで
錬二みたいなことを言うようになって…」
「俺は 紅什だ」
「あら、ごめんなさい
それにしても、その名前気に入ってるのね」
「うるさい、 いくつも名前が
あったら 面倒だろ」
「うふふ、紅什って可愛いわ〜」
「うるさい!」
紅什と ユナさんは
少し仲良くなったようで
話し込んでいると
「あ!! せっかくの休みなのに
全然 発明品の準備してない!!」
「馬鹿だな」
「もう! 分かってるなら教えてよ!!!」
「いいから 帰るぞ」
「ユナさん ごめんなさい!
お邪魔しました!!」
「あら、もう帰るの?
また 遊びに来てね〜 今度は
2人の恋バナ聞きたいわ〜」
「え? 恋バナ?」
「女の真似事だろ、ほら行くぞ」
そう言って 紅什は
スクーターを 乱暴に運転した