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青玉の愛  作者: 登澤 詠慎
5/11

失敗から成功は生まれる?

家の近くまで来ると

理玲さんが家の前で待っていた




「理玲さん! お久しぶりです!」


「明河、よく来たな」


「あ、こちらは 博士の作った紅什です」


「紅什? No.099と聞いていたが…」


「それは こいつが勝手に付けた名前だ」


「そうか、良いネーミングセンスだな」


「えへへ」




理玲さんは 家に入ると

ハーブティーを出して

話を聞いてくれた




「へぇー、期待できる発明だな

智景も いい考えをしている…」


「そうですよね! 私、植村さんのこと

見直しちゃいました!」


「そうか、智景はよく勘違い

されることもあるからな

あぁそういえば 智景も この

ハーブティーが好きだったんだ」


「へぇー、意外です…

コーヒーばっかり飲んでそうなのに…」


「これは 普通の紅茶と

どう違うんだ?」


「これは ハーブティーといって、

身体を整える作用がある有効成分を

体に取りこめるんだ」


「すごいですね、飲み物で

そんなことが出来るなんて」


「身体と言えば、 脳は

どこにあるんだ? 実験室か?」


「こら、そんなにキョロキョロしないっ!」


「いいさ、 明河も はやく

実験したいだろうし、今から

実験室に行こうか」




そうして 私達は

地下にある 理玲さんの実験室に入った




「これが そうだよ」


「わぁ…これって 猿の脳ですか…?」


「あぁ できるだけ

人間に近い方がいいだろ?」


「ありがとうございます!」


「じゃぁ さっさと実験を始めるぞ」




白衣を着てゴーグルをつけ

実験を始めた




「これを この機械に入れれば

宝石が出るはずです!」


「成功するといいな…」




しかし 出てきたのは

機械に入れる前の

脳と全く同じだった


もう同じものは使えない

私は 無駄な時間を消費して

無駄に物を使ってしまった…



【未来のない奴に

投資したところで無駄だ】



紅什の言葉を思い出すと

今すぐ この手で 機械を

壊してしまいたくなるほど嫌になる


なんで、なんで…出来ないの…と

機械を いじり始める私の手を

理玲さんの手がそっと抑えた




「ごめんなさい…」


「なんで謝るんだ、

明河のせいじゃないだろ?」


「でも せっかく用意してもらったものを

無駄にしてしまって…」


「今度また 用意するさ、

だから 明河も また作り直してくれよ、な」


「…はい」





私は 機械や工具を持って

泊まる部屋に戻ると

ベッドに座った。





「今回のは失敗だな」


「今回だけじゃないよ、

まだ1回も成功なんてしたことない…」


「そうか、じゃぁ諦めるのか?」


「ううん、諦めることはしないよ…

でも今は 全部が嫌になっちゃうの…」




私が涙を零すと

紅什は 私の隣に座り

頬に流れるなみだをすくって

自分の目尻に零した




「これで お前と同じ、泣いているように

見えるか?」


「なんで?」


「俺もこれが欲しいから…」


「涙が欲しいなら その機能を

つけてあげる… でも 紅什が欲しいのは

違うんでしょ?」


「俺は お前の発明が

成功することを望んでる…」


「ありがとう、紅什も

そんなこと 言ってくれるのね」


「別に、お前の成功が俺に繋がるから

しょうがなく 励ましてやっただけだ!」




紅什は 私の頭を乱暴に撫でて

部屋を出ていった。


その時に 少しだけみえた

紅什の顔が 赤かったのは

私の見間違いだろうか…

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