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青玉の愛  作者: 登澤 詠慎
2/11

植村さんのアドバイス

次の日 私は

植村 智景さんの自宅までやってきた。


植村さんは 博士と同じ

発明家だが、博士とは全然違う。

ほとんど 外には出ないし

今までも 数回ほどしか話したことがない。



ピンポーン



「はい…」


「水巻 明河です お聞きしたいことが

ありまして」


「中へどうぞ…」



そう言って 植村さんは

大きくドアを開いた。



「聞きたい事というのは?」


「それが… 」



私は 心臓を宝石に変える発明について

植村さんに 話した。



「博士が 植村さんなら

何かアイディアがあるはずだと

言っていました」


「新井田くんは、また根拠のないことを…」


「なにか アイディアは

ありませんか?」


「アイディアと 言うより…

根本から見直した方がいいね」



植村さんは 席を立ち

ホワイトボードを もってきた



「まず 君は その宝石でなにがしたい」


「それを ロボットに埋め込んで

人情を持たせたいんです!」


「それなら 君の考えは

最初から間違っている」



ペンをもって ホワイトボードに

スラスラと書き出すのは人体の絵



「まず、多くの人が 心=心臓のように

捉えているが 間違っている。

心は 臓器として存在していない

心臓は 血を送り出す ただの臓器だ。

では 心とは何処にあるものなのか。

その答えは 脳だ。 人間は

頭で考えて 行動する、感情は扁桃体で

主に形成される。だから

人情を持たせたいのなら

心臓ではなく 脳を使うべきなんだ」



植村さんの説明は

とても分かりやすく

スっと頭に入ってきた。



「まぁ これは あくまで僕の

考えだけどね…」


「でも 凄いですね!

そんなこと 考えたこともなかったです…」


「発明家にアイディアは必要だ。

でも知識があるから

アイディアが出せるんだよ」


「そうですね… 私には

もっと 知識が必要だったんですねっ!」


「そうだね」



その後 植村さんは

ありったけの人体に関する本を

私に出してくれた。



プルルルルプルルルル…



「あ、博士から… 出てもいいですか?」


「あぁ構わないよ」



『もしもし 明河です』


『あぁ よかった 明河!

今すぐ 帰ってきてくれないか』


『どうしたんですか?

今 植村さんの家に…』


『出来たんだ!』


『え?』


『人型ロボットが出来たんだよ!!』



博士の大きな声は

植村さんにも聞こえたようで


私は植村さんと目が合った



『だからはやく帰ってくるんだぞ!』



そう言って 博士に

電話を切られてしまった。



「私…帰らなくちゃ!」


「あぁ そうした方がいいね

新井田くんに よろしく伝えて」


「はい! ありがとうございました!」



私は 出されたコーヒーを

グビっと飲み干し

帰ろうとした。



「あ、でも…」


「ん? どうかしました?」


「いや…なんでもないよ…」



植村さんの話なんて聞かずに…。


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