第4話 神に会ったよ
一人称や口調がちょっとおかしいところは温かい目で見てください。
「特待生…」
「俺達なんもしてないじゃん!なんで特待生何かになってるの!?」
沙季が言った。
「でも大丈夫。ジルもフレイルも特待生のはず。特待生の中でも1番不出来になれば、フレイルも悪役令嬢に返り咲く必要はないはず...」
優斗がそう顔をしかめて言った。
「でももし何にもしてないのに特待生になっちゃったって言ったらフレイルが悪役令嬢になっちゃうかも…!」
私がそう言う。
[やっと見つけたわぁ〜!]
「え?」
「え…」
「ええ?」
突然遠くの椅子に座っている4人の人達が現れた。
1番左の女の子は長くて赤い綺麗な髪をしている。目は金色で目が合うと何かを見透かされてしまいそうだ。
左から2番目の女の子は青い髪でポニーテールをしている。吊り目の緑の瞳は
何かを守るためにを向けられている感覚がする。
左から3番目の中性的な顔立ちの人は緑の髪でショートカットになっている。銀色の瞳は私たちに微笑みかけているようだった。
左から4番目の男性はウルフカットの紫の髪だ。目の下にほくろがあって、色気がある。誰も魅了しそうな水色の目を持っていた。
[君達は僕たち神々に選ばれたのさ!]
赤い髪の子が言う。
[この世界に転生する事は決まっていた。ですが貴方達の魂が入る体がなかった。]
青い髪の子が言う。
[だからこうして、わたくし達が丹精込めて体を作り上げました!前世でも馴染みのある体でしょう。きっと馴染むと思いますよ]
「へ…?」
「貴方達は…?」
「…???」」
[申し訳ありません、まずあなた方に説明をするべきですよね…本当にすみません…]
紫の髪の男性が言う。
[まずは自己紹介を、僕はディープ・スペード。妖術の神です。赤い髪の女の子はラヴィ・ハート、攻撃魔法の神です。それから…]
このディープがいうには、青の髪の子はシェード・ダイヤというらしい。防御魔法の神らしい。
緑の髪の人はフローズ・クローバーというらしい。回復魔法の神で、男性だという。
[僕達神々は、この世の魔法を分担して管理しています。ですが僕達は永遠に魔法を管理できるわけではありません。僕達は適性を持った人間と契約しなければ魔法の管理やこの世にいる事すら出来ません。契約しなければ消滅し、管理していた魔法は暴走し、この世界の破滅をたどります。]
こわっ…!
「怖…」
どうやら優斗も同じ事を思っていたそうだ
[ですから…僕達と契約を交わしましょう!]
「は?」
「…だと思った。」
「僕も〜」
え?みんなわかってたの?まじ?
[お話が早いです!では早速契約の手続きを…]
「待って」
紗季が待ったをかけた。
「それって…僕達騙されてたりしてない?ちゃんと説明してよ」
紗季は意外と用心深い。いつもはふわふわしているけど、実際はすごく用心深いのだ。
[それもそうですね…では契約の際、発生する事をご説明します。時間がないので、簡潔に話しますね。]
「時間がないって、どういうこと?」
紗季が問う
[あと1日で消滅しますね。]
「「「それを早く言え!」」」
簡潔に説明されたが、私はなんにもわからなかった。紗季は大丈夫と言っていたので大丈夫だろう。
[では!翼さんはラヴィ、優斗さんはシェード、紗季さんはフローズと、契約完了しましたね!]
「あの、ディープさんは…?」
私が尋ねたらこう答えた。
[皆さんとですけど?皆さんで私と契約するのです。]
「「「え?」」」
[僕はここにいる神の中で1番の長生きしていて、長生きするほど神としての地位は上がり適性を持つものは見つかりにくいのです。]
なるほど…?
「ところで…適性ってなんですか…?」
優斗が不思議そうに尋ねる。
[実は、僕達のような神と人間が契約すると、神が人間の魔力を吸い取るんですよ。魔力量が少ないと魔力を全て吸い取られ、精神が崩壊します。魔力が多ければ多い程、高位の神と契約できるので、魔力が多い=適性がある、といった風に認識して頂ければ何も問題はありません。]
[皆さんは僕達と契約しても、魔力量が人間の中でもトップレベルなので契約しても精神は崩壊しません!]
この世界怖すぎじゃん。ってか私達って魔力量多いんだぁ!なんか嬉しいなぁ!
[僕と契約しませんか?そうでなければ滅んでしまいます…皆さんの残りの魔力を合わせれば契約しても精神は崩壊しないですし、全く問題ありません]
儚げフェイスを見せるディープは何をしても許せそうなくらい美しかった。
「わかった…契約しよう」
紗季が言った。紗季は頭がいいから多分この契約も大丈夫だろう。
「OK」
「いいよ…」
[では、これにて契約成立です!]
周りが光に包まれたが、すぐ元の景色に戻った。
[よぉおおし!契約完了したぞぉ!これからよろしく!翼!]
「え?なんでラヴィさんが私の名前を…?」
[皆さんは交通事故で亡くなって、この世界に転生しました。実は前々からこの世界に転生する事は決まっていたので、皆さんの名前は知っていましたが、皆さんがいつこの世界に転生するかわからなかったのです…この世界の生命を管理する者にミスがあったらしく、皆さんがいつ転生するのか確認が出来ていなくて転生する体も出来ていない状態でした。]
うんうんうん。誰だ?その神?フローズさんに困った顔をさせるのは!
[本来なら、体を作るのは私達の仕事じゃない。が、魂からものすごい魔力を放出していることに気付いたんだ。私達と契約させ…こ、この世界を満喫してもらおうと考えたんだ。故に私達が貴方達の体作りを引き受けた。貴方達のゲームのアバターを参考にしてね。]
え?シェードさん?さらっと言ってますけど、本音出てましたよ?満喫してもらおうなんて思ってないですよね?優斗、大丈夫かな?
[でも、記憶がなくなると君達のわちゃわちゃが見れなくなるから嫌だったんだよね〜。だから前世の記憶を頭に入れさせたの!でもさ、見た目が違ったらいくら「〇〇ですっ!」って言ったって信じてくれないでしょ?]
確かに。ラヴィの言う通りだ。でも前世のときから見られてたの?それ監視って言うんだよ?
[だから、ちょっとディープに妖術をかけてもらって見た目は違うけど「〇〇ですっ!」「確かに!」みたいな感じで信用させやすくしたんだ!]
ちょっとよくわかんなかったところあるけど、あれでしょ。紗季のアバターに似てるからこの人は紗季だ、優斗のアバターに似てるからこの人は優斗だ。みたいな感じになっちゃう妖術をかけたって事でしょ?
私達が自己紹介する前から紗季と優斗だ、ってめちゃくちゃ信じてたのディープさんの妖術のせいだったのか。
つまり…
大体はこの人達のせいか。
[心配するな、翼。決して紗季や優斗と謳っている第3者ではない。ちゃんと本人だ。]
シェードさん…かっこいいっす。
[契約完了したので、皆さんにはこれを渡します。これは僕達と契約した証です。]
とディープが言った。
私がディープに渡されたのは、赤いハートのペンダントだった。赤いハートが金色のリングをまとっていてとても素敵だ。
優斗は青いダイヤのネクタイピンだ。キラキラしていて優斗によく似合っている。
紗季は緑のクローバーのブレスレットだった。金色の細いリングにクローバーのチャームが付いていてとても似合う。
[これを持っていれば僕達の力を借りたり、契約した神の担当している魔法の威力が倍増します。これで敵なしと言ってもいいでしょう。]
ま、魔法!?
「なるほど…ありがとうございます。」
優斗がお礼を言う。
[これで僕も他の神と同じように契約者がいる世界をたんまり見れるな!]
[ラヴィ、貴方は他の神に比べて仕事が多い。そんな時間あるのか?]
[それを言ったらシェードだってそうでしょう?皆さんの代わりにこのフローズ・クローバーが見てきて差し上げましょう。]
[あなた方は効率も悪いし仕事もどれだけ残ってるというんですか?あれだけ僕が早く終わらせろと言っているのに!そもそも仕事が終わるまで契約者と同じ世界には行けません!今回は皆さんの手伝いは一切しません!]
ディープが説教をした…怖すぎ。
「翼も似たような状況を経験したことあるよね…」
「そうだね〜ほとんどいつもだけどね〜」
優斗…?言わないで?紗季?その笑みをやめて?
[あなた達はこの世界の事をよくご存知ないでしょう。僕が紹介しますので是非同行させてい頂けないでしょうか?でも、断っても僕と契約した証が契約者さんたちと共に過ごすことですから、ついて行きますけどね。あ、先程言い忘れましたが契約した証を持つのは義務ですので。ほぼ同行決定ですね。」
えっ!?
珍しく結構書きました。大変だった…