異世界性格10日目終了
謎のゲートの出現により、そこらじゅうで大混乱らしい。俺達は村を出て、いつものバス停のある町に戻った。町の入口には既にゲートが出現しており、100を超えるゴブリンが暴れている。冒険者達が既に対応しているが、明らかに押されていて、ゴブリンの数は増えるばかり。
町の出口のバス停側にはスケルトンが大量にいた。全く対応できていない。その数500剣で斬っても効かないし、弓矢も効果がない。冒険者が盾で必死に押し戻そうと頑張っているが数は全く減らせていない。
「ゆっけはゴブリンをお願い。太郎くんスケルトンをお願い。二刀流行ける? 大剣をハンマーがわりにして、いつもの鉄線バットで頭を叩き割るの。もちろん強化魔法は掛けるよ。行けそう?」
鈴さんが俺の背中に触れて強化魔法を掛けてくれている間に鉄線バットを取り出した。身体中に力がみなぎる。倍の力が出ている気がする。俺は左手で大剣を振ってみる。ゴブリン10匹を吹き飛ばした。右手の鉄線バットも問題なく振りきれた。
「鈴さん二刀流行けます。ありがとうございます!」
俺はスケルトンの大軍に突撃した。刃の面ではなく、縦に構えた大剣を片手で振り回し、スケルトン達を吹き飛ばした。起き上がろうとするスケルトンの頭を右手の鉄道バットで打ち砕く。左手は振り回し、右手は振り下ろす。
「太郎くん一度下がって! ファイアーボム!」
鈴さんの魔法がスケルトン軍団の中心で爆発し、大量のスケルトンが燃えた。
「太郎くんまた魔法で援護するから合図したら下がってね」
「はい!」
俺は竜巻のように回転しながら戦った。武器は全て斜め気味に振り下ろす。骨を砕くには打ち下ろしだ。遠心力を使い、ぐんぐんと加速していく。その中でスケルトンの攻撃を避けるのは大変だったが、物凄くスリルがあった。ひとりで360度の敵を相手にしているような気分だった。その中で倒されて殺されそうな冒険者を見つけて、背後から鉄線バットの一撃で助ける。再び回転するの繰り返し。
汗が滝のようだ。だいぶスケルトンの数が減った気がする。山田太郎の活躍により、スケルトンの数がま200は減った。
「太郎くん下がって! 浄化の光よ! セイクリットフレアー!」
鈴さんが魔法の詠唱を終えた。銀色の聖なる光がスケルトン300体を焼きつくし浄化した。
「太郎くん今よ! ゲートを破壊して!」
山田太郎は鉄線バットを投げ捨て、大剣で両手持ちにして大きく跳んだ。そして大剣を大きく振りかぶりそして、力の限り振り下ろした。ゲートはかなりしぶとく抵抗したが、太郎の力に押されて破壊された。
「やるな兄ちゃん達。お前さん達が来なかったら今頃挟み撃ちされて俺達はくたばってた。助かったぜ」
冒険者達が太郎の健闘を讃えて肩を代わる代わる叩く。そして驚くべきは鈴だ。武器も無しにモンスターの大軍と戦い抜いてしまった。ゆっけの疾風のような早さの攻撃も凄まじかった。
「さ、酒場で酒でも飲もうぜ。俺達のおごりだ!」
それから異世界バスが来る時刻まで宴会は続いた。異世界バスの乗客も冒険者と力を合わせて戦っていたが、太郎達が来るまで苦戦しっぱなしで途中から退却していた。英雄になり損ねたのだ。肩身が狭いが、異世界の人々は優しく逃げた他の乗客にも酒を飲めと笑って言ってくれた。
「怪我人はこれで最後ですな」
サターナは怪我人を治療しつつ器用に酒を飲み、感謝されていた。今回の魔物は彼女と相性が悪くスケルトンにダメージを与えられないのが辛かったのだろう。怪我人の多さがそれを物語っていた。
「兄ちゃん前に歌ってくれた異世界の歌を頼む」
太郎は異世界の冒険者のリクエストを聞き歌った。
「それ私も歌える」
鈴も加わり太郎と鈴が歌った。異世界の冒険者達は言葉は通じなかったが、何かいい事を歌っているのはわかっていた。そのメロディを必死に頭の中に刻みつける。その日から異世界語(日本語)を学ぶ動きが異世界人の冒険者の中で流行していくこととなった。彼らなりの感謝の印であった。鈴が書いた異世界言語入門が100冊以上売れた。こうして、太郎、ゆっけ、鈴の3人は異世界人の中で話題になっていった。鈴は元々有名であったが、それが太郎とゆっけの名前を広める追い風の役割をした。




