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霊体・特殊能力者用の檻!

「話したいこととは何かな? 」

青柳くんが優雅に紅茶を飲みながら言った。


(さとる)のこと聞きましたよね? 空気刀改(くうきがたなかい)を盗み、青柳くんの会社の道具を使っていました。青柳くんと何か関係があるんじゃないかと思って」


「ははは。僕が黒幕だと思ってるんだな? 最強の異世界人の知り合いなんてほかにいないもんな。最強の異世界人と思ってくれたのは嬉しいけど、残念ながら僕じゃない」

僕の考えを読まれてしまった。


「警察にも聞かれたがうちの社員で天沢(あまさわ)と面識があるやつはいない。空気刀改は大事な商品だ。3人しか触ることは出来ないしな。だから僕が疑われたな。だけど調べられても何も出ないから警察は諦めたようだ」


「3人とは誰ですか?青柳くんとあと2人は?」


「あとは副社長とチーフエンジニアだ。2人は天沢とは会ったこともないそうだ」


うーん。青柳くんの会社に黒幕がいると思ったが手がかりが掴めない。


「そもそも権蔵さんの能力をブロックするほどの力は俺にはない! 俺が持っているのは転生前の記憶だけだ」


確かに。青柳くんはそんな特殊な力は持っていない。青柳くんじゃないとするとやっぱりもう1人異世界人がいることになる。


「そもそもそんな力がある異世界人なら関係者じゃなくても盗むのは簡単じゃないですか? 」

はこべさんが僕に言った。


「ああ。そうですね! そもそもそんな力がある異世界人なら関係者じゃなくても盗むのは簡単じゃないですか? 」

僕は青柳くんに。はこべさんと同じことを言った。


「まあ、確かにそうだな。でもうちのセキュリティを舐めてもらっちゃ困る。霊体だろうと超能力者だろうと何者かが侵入すればすぐに反応する。魂の発するオーラみたいなのを感知するんだ。試しに権蔵さんそこの金庫を開けてみてくれ」


青柳くんはそう言うと、指でパチンと鳴らすと金庫が床からでてきた。


「わかった。この鉄の塊を開ければいいのじゃな? 」


「そうだよ! 」

僕が青柳くんの代わりに答えた。


権蔵が金庫の取手に触れた瞬間……!


「シンニュウシャ カンチシマシタ!シンニュウシャ カンチシマシタ」


金庫からそう聞こえた。そしてサイレンがなり檻が降りてきた。


「なんじゃあ!? これは? 」


「霊体・特殊能力者用の(おり)さ。作り方は企業秘密だ! これと同じものが会社に張り巡らせてある」


すごいな……特殊能力者や霊体までも科学の力で捕まえてしまうなんて。


「出られん……」


「あーごめん! 今出すよ! 」

また青柳くんは指をパチンと鳴らすと檻と金庫はどこかへ消えた。


「な? これでわかっただろ? 不法侵入者はいないとね」

うーん。一体どういうことなんだろう。不法侵入者はいない、会社の人間でもない、青柳くんでもない。智は一体どうやって空気刀改を盗んだのか?


「くそう! 全然わからない。あと少しなのに! 」

僕は頭を抱え込んだ。僕はふと部屋の棚にある写真が見えた。


「この写真の女性は……? 」

ミニスカートにブラウスを着た茶髪の長い髪の毛をした女性と青柳くんがツーショットで写っていた。


「ああ、会社を創設したばかりの頃の部下だ。今は退職して会社を起業し、うちの株主をしているよ。」

僕は近寄って写真をよく見た。


「この人は……まさか!」

僕は驚いた。僕はこの人を知っている。


「この人はいつぐらいに来ましたか? 」


「空気刀改が盗まれる3日前に会社に来たな。そう言えば、空気刀の試作品も見当たらないな」


間違いない! この人が黒幕だ!


しかし、なぜこの人が……笹野さんを脅していたのだろうか?


~帰り道~

すっかり遅くなってしまった。もう空は真っ暗だ!

僕は人気(ひとけ)のない裏道を歩いていた。


─コツコツコツコツ


誰かが僕を尾行している。


─コツコツコツコツコツコツコツコツ


足音がだんだん近づいてきた。


後ろから何者かが空気刀を振り下ろした。


─カキン


僕は後ろを向いたまま(さく)で受け止めた。僕は権蔵に憑依してもらっていた。


「来ると思ってましたよ!あなたが黒幕だったんですね!」

読んでくださりありがとうございます

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