きょう、入学
これは、とある高校のとある部活の日常を書き記した物語
高校の入学式、、、壮馬 快杜は家の鍵をおとし、放課後に高校の中を探し回っていた。
あー高校初日なのに、なんて災難だ、、、」
気がつけば、もう2時間近く探していて、校舎は夕日で赤く染まっていた。部室棟を探していると、2人の男と女の声が聞こえてきた。
「今日も相談来なかったなー」
「あたりまえだと思うよ、入学式に相談に来る人なんていないと思うし」
そんな2人の会話を聞いて、快杜は部室に勢いよくドアを開けて
「あの、新入生なんですけど相談って乗ってもらえますか?」
少し気まずそうに言うと
「相談きたー!」
2人は息ぴったりに叫んだ
「全然、ウェルカムだよ!むしろのらせてください!!」
部室には、明るくて背の高い瀬川 勇太 先輩と
瀬川先輩と対象に身長は小さくて、優しそうな
三河 結衣 先輩の2人がいた。
「部員ってお2人だけですか?」
すると瀬川先輩が困ったように
「去年までは3年生の先輩がいたんだが、卒業しちまったし、去年の2年生は入部希望者は1人もいなかったからな。来週までに5人集めないと廃部なんだ」
三河先輩も困った顔をしている。
「なら、僕が入りましょうか?5人には足りないですけど。」
瀬川先輩と三河先輩はふと顔を上げて
「ありがとう!!本当に助かる」
そして、快杜は鍵を失くしたことを思い出して
「それでなんですけど、学校で鍵を落としてしまって一緒に探してもらえませんか?」
瀬川先輩はきょとんとした顔をして
「鍵ってもしかして、これの事か?」
と1本の鍵を机の引き出しから取り出した。それをよく見ると快杜の家の鍵だった。
「あっ!!それです!!どこで拾いましたか?」
快杜は驚いたように言った。
「今日の昼に新入生の女の子が届けてくれてな、良かったな」
快杜はほっとして、ため息を漏らした。
「その子の名前とかって分かりますか?」
「いや、分かんないな。すまん!!」
と手を合わせた。
その後、入部の手続きの話などを聞いたりした。
そんな話をしている間に、外は薄暗くなっていて白い月が空に浮かんでいた。
「もう、時間も遅いし今日は帰ろうか。明日から君は部員だ!!これからよろしく!」
「はい!!」
快杜は2人の先輩と握手をして家に帰った。
快杜は入学初日の災難が生んだ出会いで「相談部」という部活に入ることになった。