第24話
夜の街にエトランジュを連れ出し、刺激を与えて何か思い出すかと試したけど、駄目だった。ハニッサさんには誰も憑依して居なかった。
翌朝ホージョー邸の自室
「其れじゃヘザーとディルでダークエルフの村まで行って誰か憑依して無いか調べて行ってくれないかな。」
と俺は二人に頼んだ。
「解ったわ!」
と二人は言った。
「気を付けて下さいね!」
とリディアンさんが二人を気遣った。
「アンタ達又な!」
とガラナ。
「アンタ等もな!」
と二人は飛び去った。
「二人が抜けた分はリディアンさんとエトランジュでカバーするとホージョジョーさんに伝えてきます。」
と俺はホージョーさんの自室へ行き事情を説明した。
「構いませんよ。ただ、エルフさんの事で騙していた事には少し私怒ってます。事情は理解しますが。結局の所、私は信じて頂け無かったと言う事ですからね。」
とホージョーさんは言った。
「すいません。ここに来る迄に何度も狙わはれたもので。」
と俺はまた事情を説明した。
「仕方が有りませんね。今回は不問とします。所で貴女は何時までここに居られますか?」
ホージョーさんが少し寂しげに聞いた。
「シャトル!?乗り物が手に入ったのでそんなには長く居ないと思います。」
「難でしたら何時までも居て構わないのですよ。」
「ごめんなさい、俺には遣らなければ成らない事が有るので・・・・」
「そう・・ですか・・あっ、何でも有りません。」
ホージョーさんが最後に何を言おうとしたのか、少し気に成った。だけど俺はホージョーさんの自室を出た。
「良いのか?勇太?」
「何がだ?ガイバーン?」
「ホージョーは勇太を欲して居るのじゃないのか?」
「今は其れ処じゃないんだ。」
そして自室に戻り、ホージョーさんとのやり取りを皆に伝えた。
「そうですか、ホージョーさんも事情が解ってい乍も、自分を信じて貰え無かったのが悔しかったのでしょう。勇太さんはホージョーさんに取って其だけの存在なのでしょうね。」
とリディアンさんが言った。
「最初は少し会って話しただけなのに・・・・」
「人にはそう言う時もある物なのですよ。」
とリディアンさんが諭した。
「俺!謝って来ます!」
「あ!勇太!」
「ダメだよエトランジュ!」
とクローディアがエトランジュを止めた。
俺は部屋を飛び出し、ホージョーさんの自室に走って行った!
ガチャ!
「ホージョーさん!」
「あら!?どうなさったの?」
「すいません!俺そんな積りじゃ!」
俺は申し訳無い気持ちで一杯だった。
「解って居りますよ。どうしても自分の気持ちが割り切れなくて、つい貴女に当たって仕舞いました。此方こそご免なさい。」
「いえ!」
「では此を着て頂いて無かった事に致しましょう。」
とホージョーさんが服を差し出した!?何だ!?この白い服?手に取って見てみるとドレスだった!
「凄いわこのドレス!ホージョー、アンタ良いセンスしてるわぁ。」
とガラナが喜んでいた。
「良いでしょ!」
とホージョーさんが満足気に言った。そしてまた何時の間にかホージョーさんに着せられて仕舞った!?
「え!?これウェディングドレスじゃ!?」
その時レーラさんが入って来た!
「お嬢様、例の本が出来上がりました!」
「例の本って!?あの薄い本ですか?」
と俺はレーラさんに聞いた。
「あ!空渡さん!素晴らしいですね良くお似合いですよ!流石はお嬢様!良いセンスです!
此はまた良いネタに成ります!
ではなく、この間の本の・・中身を見ま・・した?」
とばつが悪そうに聞いてきた。
俺は冷や汗を流し乍首肯いた。
するとレーラさんは顔が赤く成っていった。
「と言うか、またホージョーさんの仕業ですか!」
「何の話しですの?」
とホージョーさん。
俺は薄い本の事情を説明した。
「あら!?私廊下にわざわざ
そんな・・エ・・エッチな本を置いたり致しませんわ・・。」
と顔を少し赤くしながら言った。
「で、そのエッチな本をレーラさんに依頼したのがホージョーさんだと。」
「だっ、だってレーラさんもノリノリで!」
「お、お嬢様だって!」
ダメだ、どっちもどっちだ
「ま、まぁ良いです。御二人とも特殊な御趣味が御有りなのが解りましたので。」
「勇太ーー!」
ガチャ!
「あれ?勇太その格好お嫁に行くの!そんなの僕嫌だよ!」
エトランジュがややこしい事に成りそうな事を言って、抱き着いて来た!
「お嬢様!これはまた良いネタに成ります!」
「ええ!またお願いしますよ!」
「解りました!お嬢様!」
何かあの二人で変な方向で盛り上ってる!ダメだ。もうどうでも良く成って来た・・・・
「そ、其れじゃ俺は此で失礼します。」
とエトランジュをくっ付け乍、
部屋を出た。メイドの仕事が終り、エトランジュを連れて、ガイバーンでアクロバット飛行をして、記憶が戻らないか試そうとしていた。
ホージョー邸庭
「現れろ!ガイバーン!」
「了解!」
と俺が叫ぶと目の前に光り共に無数粒子が集り、ガイバーンを構築して物質化して行った。
「エトランジュ!後のシートに座って。」
「うん!」
「またデートか!羨ましいではないか!勇太よ!」
「あたしも混ぜなよ!」
「そんな事じゃ無いよガイバーン!ガラナまで!其より行くぞ!」
「ウム!」
俺はコックピットのハッチを閉めて、急発進、急上昇、急降下急反転、宙返りした。
「うわー!ジェットコースターみたい!」
とエトランジュが叫んだ。
「え!?エトランジュはジェットコースターを知ってるの?」
「子供の頃、乗った気がするよ!」
とエトランジュが喜んでいた。俺達の世界の人間の魂が宿ってそうだな。
あの上空の靄の中に入れば元の世界に戻れるかも知れない・・・・・と、ふ、と思った。
でもこのまま全てを放り出して行く気には成れ無かった。
「さあ!降りよう!」
「えー!もう降りちゃうの?」
と残念そうにエトランジュが言った。タフだなぁ。
「ごめん!俺気持ち悪くなっちゃたよ。」
「ダメだなあ~、しょうがないね。」
とエトランジュ。
俺はガイバーンを着陸させた。
すると邸から頭に角が生えた女の人が走って来た!




