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重要性

4日目、後10日あるこの余裕ある状況。逆に余裕ありすぎて、暇を持て余すのではないかと、不安になってる中僕は昨日Bに宣言したとおりの行動をする。


 「B君よ、今からカツアゲしてきてください」


 委員長を殴った動画により僕に脅されているBは、大概の命令は聞くのである。どこまで、やってくれるのかが見物である。


 「分かった。失敗したらどうする?」


 「全世界に、この動画をアップする」


 ベタだが、このような状況になればかなりの効果を有するのである。何も言わずにBはAの方へ向かう。その姿がこの動画の効果を実証している。


 「Aさんよ、お金くれない?」


 今まで同じ取り巻きにいた2人からは、決して想像できない姿であった。クラスメイトは、その言葉を聞き驚いている様子だ。元々、3人組のリーダー的存在であったのはAだったというのもかなり大きな要因であろう。また、それに対するAは無反応であった。


 「聞いてんのかよ。おい、A。返事しろよ。今までお前がやってきたことだろうよ」


 あなたは、今でもやってますけどね。しかし、Bのこのセリフは確信をついているようだ。これに、反応しなければ自分の弱さを証明することになるが、反応すれば逆に自分の今までの惨めさに気づくであろう。このジレンマを抜け出すには、自分にとってどちらがマシかを考えなければいけない。しかし、こうもクラスメイトに注目されれば焦ってまともな反応が出来なくなる。そう、これは簡潔に説明するとAのプライドを傷つけているのである。


 「うるせー、次金要求したらぶち殺す」


 自分の弱さの後悔を選択したようだ。それにしても、逆ギレをするとは相当焦っているのだろうか。もしくは、元々頭が弱い人間なのだろうか。出来ることなら、前者のあってほしい。僕がこんなやつに負けたと証明することになってしまうから。


 「おいおい、そんなこと言っていいのか。クラス全体がお前に注目してるんだぜ」


 君もまた然りである。いや、むしろ君の方が好感度下がっているだろう。先ほどの話で言うなら、Bは後者であろう。完全にBを軽蔑しているような表情をしているクラスメイトが多数存在している。君は、完全にクラスメイト+αになったな。おめでとう。


 「そんなに、金がほしいならバイトでも何でもしたらいいだろ」


 その言葉、そっくりそのまま君に返したい。


 「それは、お前が言う言葉じゃないだろ」


 今まで、下に見ていたであろうBに論破されて悔しい思いをしたのだろうか。Aは、教室を出て行った。


 「おいおい、逃げるのかよ。それで、いいのかよ」


 君もそれでいいのか。早くなんとかしないと、10日後相当痛い目見るよ。それにしても、動画の効果が相当に証明した結果と見えた。Bが、小心者というのもあるだろうが。


 「すいません、お金もらえませんでした」


 この状況で話しかけられると、僕にとっては不都合でしかない。と言うわけで、無視をする。


 「あの任務を失敗しました」


 察してくれ。この状況だと、僕が怪しまれるのは明白。立ち上がるのも、怪しまれる要因である。


 「人違いじゃないですか?」


 少し怒っている感じで言う。話しかけるなの意であるが、果たしてこいつに理解出来るであろうか。すると、Bは人違いかぁと一人つぶやきながら出て行った。意外と物わかりがいいようだ。


 さてさて、状況は一変。僕が相当まずい。僕がさっきのBの一連の行動の首謀者と思われているようだ。あと10日、このままだと計画がうまくいかない。下手したら、委員長を殴ったことさえ僕のせいだと思われかねない。そうなったら、僕自身学校に来れなくなってしまう。


 「人違いかぁ、災難だねぇ」


 沈黙の中であると、あまり大きくない声であっても注目を浴びる。その声は、透き通っていてかわいらしい、今の僕には女神のような声であった。そう、声の主は委員長であった。


 委員長のおかげで、この状況は乗り切った。というのも、委員長自身が被害者であるわけだから委員長が人違いを肯定すればクラスメイトも納得するというのである。実際、そんな雰囲気も流れているのである。

現在、委員長はクラスの輪の中心にいる。つまり、リーダーなのである。それも、あるのだろう。


 「外行って、久々に話しよう」


 そう言って、委員長は僕を連れ出した。


 「平和の象徴くんは、悪い子だね」


 こんなことを言うということは、委員長は気づいているようだ。


 「委員長はしっかり、僕について考えてくれたんじゃないの?」


 「考えたよ。だけど、これは違うと思う。周りを脅して、平和を作るのはちがうんじゃないかな。警告します。私は、あなたがこれ以上こんな行動をするならあなたの存在意義をなくしてみせます」


 「何を言ってるんだ。君が今、クラスで地位があるのもBに殴られるという被害者になったからだろ。それに、別に今でこそ周りを使っているけれど今までだって僕がいることで平和だったじゃないか。そんなに、周りを使うというのがダメなのか。邪魔しないでくれ。時間がないんだ」


 そう、時間はない。それまでに、僕がいなくなってもクラスが平和になっていなければいけない。


 「今日見て、気づいたの。どうして、あなたがいないといけないのかって。象徴なんてなくても、平和だったじゃない。象徴なんて、やめちゃいなさい」


 「委員長とは、根本的に考え方が違うみたいだ。僕は今まで通りのやり方でやらせてもらうよ」


 そう言って、僕はその場を立ち去った。委員長は気づいてないようだ。僕が必要な理由が。見せてやるよ。平和の象徴の重要性。

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