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ターニングポイント

Cは僕の送りつけていた宅配便を受けとった際に、代引きにしたものがあまりにも多く続いたため配達員に暴力行為が行われたためしばらく学校に来ないどころか、少しの間別の施設にもお世話になるようだ。深く反省してください。


 さてさて、これで3人組から2人組になったわけである。まだ、3日目とありそこまで焦る必要はないのだが、僕の計画にミスは許されない。だから、ノンストップで行動をする。


 「委員長、今日も元気してるかい?」


 今日も2人組はお金が必要なようだ。一体、どこでそんなにお金を使っているのだろう。アルバイトをしようとかは、思わないのだろうか。物わかりがよくなりすぎた委員長は無言で、かばんの中から財布を取り出す。


 「いや、今日はそれじゃない。いや、それもだけれども。Cの家に何で、あんなにいらんものが届いたり、いたずら電話が来るんだ?お前に、連絡先を教えてからこうなったってあいつ教えてくれたんだけどよぉ」


 Aは委員長の財布を取り上げ、質問する。


 「・・・」


 委員長は無視を決め込む。どれだけ強いんだ、あんたは。実は震えている指先に僕は気づいているからね、もう少しだけ耐えて。


 「もう一度、聞くぞ。どうして、Cの家に嫌がらせがされるんだ?」


 「・・・」


 クラス全体が静まり返っている。嫌な空気が流れているのは、委員長はもちろん2人組も気づいているようだ。


 「分からないようなら、体に分からすしかないようだな。仕方ないよな、人間無視されるのが一番つらいからな」


 「Aは、こんなやつに手を上げるような玉じゃないよ。ここは、俺に任せておくれ」


 小心者のBは、突然調子に乗ったようにそう告げる。ここらが、狙い目かと僕は携帯電話を取り出す。


 「おい、どうなんだ。委員長さんよぉ。はやく、答えないとおいらの手が出ちゃうよぉ」


 さすが、小心者と言ったところか。Aという仲間がいるという安心感を盾に、矛を突いてくる。こういうやつは、盾がいなくなると行動できなくなるのは承知だが、矛よりも盾の方が明らかに強い。というわけで、まずは矛をつぶす。守ってばかりじゃ、何もはじまらない。


 「・・・」


 僕は、携帯電話でムービーを撮影し始める。委員長には、予め指示してある。必ず助けるから、どんな嫌がらせも耐えてって。


 クラス内では、『まさか、本当に暴力は振るわないだろ』、『女子相手に暴力なんて振るったらね』と小言が流れ始める。これで、クラス全体が証人となる。


 「3」


 Bは、カウントダウンを始める。これは、僕はムービーを撮っていることをバレないように携帯電話机の下に隠す。


 「2」


 委員長頑張れ。クラスの視線は一転に集められた。


 「1」


 覚悟を決めたように委員長は歯を食いしばる。


 パンッという音は、静かなクラスいっぱいに響いた。当然、僕の携帯電話にはこの音が入っている。委員長は、ビンタされた頬を手で抑えるが指の隙間から、赤く腫れている頬が覗かれる。しかし、委員長の頑張りのおかげでこの2人は女子に手を上げた最低な人間として認知された。その後、委員長は無言のまま立ち去っていった。『Bさんよぉ、あんた何してるんだよ』、『ホント最低、見損なったわ』そんな言葉が耳に入ったのだろうか、Bは真っ青な顔をしている。そんな時に助けてくれるのが、仲間というのにAは全く気遣うこともなくどこかへ行ってしまう。その不穏な空気の中、僕の携帯電話は静かに役目を終えた。


 そんなことがあり、クラス全体が気まずい空気になったまま無事に放課後を迎えBは委員長に謝りたいと委員長を呼び出した。僕には一切謝りもしないくせに、自分のこととなると人間は本当によく行動をする。まぁ、いまさら謝ってもらおうが関係ないのだが、当然僕も委員長に同行する。


 呼び出された屋上に行くと、Bは一人で待っていた。ここは好きじゃないな。僕が命を絶ったところだから。


 「お前も来たのか。まぁ、いいや。委員長は今日はごめん。何発でもいいから俺を殴ってくれ」


 深々と頭を下げるBに対して、委員長は辛辣な目である。なぜ、ここまで自己中心になれるのだろう。この自分さえよければいいみたいな態度が鼻について仕方がない。


 「君は、私に暴力を振るったことに罪悪感を抱いているの?」


 「うん、そうだよ」


 「調子に乗らないで。君はいままで、どれだけ彼に迷惑をかけたと思ってるの。君は人の目ばかり気にする小心者よ。今まであまり、気にしなかったんだろうけど彼から強引にもらったお金なんかには罪悪感を抱いてないのは許せないわ。謝るぐらいじゃ許せない」


 頭を下げているBの足下には、水滴が落ちていく。


 「さて、Bくんよぉ。この動画を見たまえ」


 先ほど撮った動画をBに見せるとBは、冷や汗をかきだした。それもそのはずこんなの拡散でもされたら少なくとも彼の学生生活は終わりだ。


 「お願いだ、それは広めないでくれ」


 「もちろん、いいでしょう」


 安心した表情を浮かべるBに対して、こういう状況の鉄板のセリフをぶつける。


 「ただし、条件がある」


 こういうの一度でいいから、やってみたかった。


 「僕の言うとおりに2週間ほど学校生活を送ること」


 


 




 翌日、僕の指示通りに2人は動く。BはAから離れて僕と行動する。当然、僕の指示である。こうすると、Bは僕の手駒となり、更に僕も悪役となる。Aは孤独となり、守る盾がない一方的な攻撃は矛と盾を兼ね備えたこちらにまともに攻撃を繰り出すこともできないのである。それにしても、Bがこんな性格でよかった。簡単にAを裏切ったのだから。一方で、委員長は被害者であるためにクラスメイトから心配されていた。これで、委員長は再び元の生活を送れるであろう。しかし、僕はBと一緒にいることからクラスの敵となった。


 「Bくん、これから僕らは君たちが今までやってきたことをやります」


 意外なことにBは、何も思っていないような雰囲気で頷いただけであった。

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