プロローグ?
こんにちはSETOです。
はじめて読む方も二度目の方も、楽しんでいってください。
「...よーし! 終わったぞ薙。」
俺はそう言って灰色の狼を風呂から出した。
「グルルゥ♪」
こいつはまぁ...色々な偶然が重なって俺が引き取ることになった
家族のうちの一匹だ...と俺は思っているのだが。
俺は昔から動物に好かれていた。まあシチュエーションが良かった
のも原因のひとつだろう。ある時は怪我して墜落してきた鷹を俺が見
事なスライディングでキャッチしたり、怪我してぶっ倒れていた子熊
を引きずりながら持って帰って治療したりしただけなのだが...
(あれ? 俺結構すごいことしてね?)
「しかしなぁ...はぁ...」
その欠点として中学生以上の奴らからはすごく怯えられる。母さん
と父さん、そして親戚、年端もいかない子供からは普通に対応しても
らえるのだが、それ以外の人間はダメ。
学校では先生がペコペコしてくるし、授業では俺の回りに道が開ける。
公共交通機関でも俺の回りは空間があり、誰も入ってこようとしない...
それもこれもこの左手のせいだ。
「生まれたときからあったらしいけど、なんなんだろうこれは...」
黒い模様で何やら幾何学な紋章が描いてあるようなそれは見る人を
怖いと思わせてしまうようだ...
「まぁ明日には何とかなんだろ。」
そう言いながら薙の毛を乾かしていると、
ーー ♪~♪ ♪~♪~♪~♪
この地域に六時のを知らせるチャイムが鳴り始めた。
「ヤバい! 飯の準備してねぇ! そして買い物もしてねぇ!」
それに気づいた俺は急いで食材を買いにいったのだった...
(ヤバいヤバいヤバいヤバい! 急がねぇと母さんにしばかれる!)
俺は交通ルールをしっかり守りながら、近道の裏通りを自転車で移動
していった。
そこで俺はとんでもないところを見てしまった!
幼い女の子にナイフを刺そうとしている男がいたのだ!
俺はそれを止めようとナイフ男に渾身の蹴りをかましてみた。すると男は、
数メートル飛んでいったので、少女に警察を呼んできてもらえるよう頼み
その男の強行を止めていた。
数分がたっただろうか? 俺はナイフ男と押し問答を続けている。
まだ来ないのかと若干イライラしていると近づいてくる足音が聞こえできた。
案の定、少女と警察官だったので安心していると|ソイツは俺に拳銃を向けてきたのだ《・・・・・・・・》。
そして、
ーー バアァァァーン!
その激しい銃声とともに俺は、この世から意識を落としていった...
(深い混沌に落ちていくってこういう事なんだな...
あれっ? 何で俺は考え事ができてるんだ?)
そう思い目を開けてみるとそこは白黒の空間だった。
どうして自分がここにいるのか、熟考していると二つの声が聞こえてくる。
「あらっ? ここに来たと言うことは善行をなしてきた人物のようですね」
と高い声がきこえ、
「いや、此はスゲー悪感情を受けてきた人間だと思うぜ?」
と渋い声が聞こえてきた。
俺がもしやこれが死後の世界って言うやつかと思っていると、
「そうここは死境界リィンバレル」
「死者の魂を見極めるところだ!」
「私は転生と生の女神リィンと申します。」
「俺は消滅と死の魔神バレルっつうもんだ。」
「あれ? 魔神様と女神様って普通仲悪いんじゃないんですか?」
俺はこの状況に対して妥当な質問をしてみた。
そして帰ってきた返事はまあ予想していたものと同じだった。
「「馬鹿らしいですから」(からな)」
詳しく聞くと前に女神陣営として召喚された人間、東雲さんが
ーー 戦うのが馬鹿らしい、仲良くしてた方が得だろう?
と、魔王陣営に直談判をしにいって当時の魔王ルルスフィードさんに、
戦争を締結させた所から俺らも仲良くやろうぜと言うことで神の皆さんが
手を組んだと言うものらしい。
「神様たち人間臭いですね...」
「ゴ、ゴホン! さて、あなたは転生を望みますか?」
「そのまま消滅を望むか?」
「「さぁどちらを選びますか?」(選ぶか?)」
「すみませんが、もし転生をするなら俺はどこに転生するのでしょうか?」
「君たちの言う異世界と言うところで、科学は発展していませんが、
魔法そして剣がひしめく世界です!」
「もし転生するなら職業そしてステータスはランダムで選ばれ、
そのまま異世界にいってもらう。そしてその異世界の名は...」
ーー ごくり...!
俺は息を飲んで、二人から発せられると思われる言葉を待ち望んでいた。
「「臨界の極星 ノエル・アルヴァリオン」」
「さぁあなたは転生しますか?」
「それとも転生しねぇか?」
俺はこう答えた。いや、こう答えるしかなかった!
「俺は...転生する!」
転生を決意した彼はどうなるのでしょうか?
次も楽しみにしてくれると嬉しいです♪