マのもの
よろしく
魔物とは“魔”の“モノ”である
時に、力無きものを蹂躙して弄んだり...
時に、ただの快楽のために虐殺したり...
魔物とはいつの時代も、人間に恐怖を植え付けてきた
そんな魔物が.........
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膝を地につけ、両手を地につけ、そして額をも地につける。
そう、それは...
「すっ、スミマセンでしたぁぁぁああああ!!!」
見事な土下座だった.....
「「「.....へ?。」」」
突然のことに3人は酷く驚いてる。
無理もないだろう。先程まで自分たちと対峙していた魔物“スケルトン゛が、いきなり謝罪の言葉とひれ伏すようなポーズをとったのだから。
「どうか、お慈悲を!許してください!。」
彼?のヘタレっぷりは物凄いものである。彼らの反応を伺うように少し顔をあげるが、未だに彼らは、状況を判断できてない。あまりの急展開についていけてないようだ。
いや.....
「...。」
魔法使いのシュナは、他の2人より先に現実に戻ってきたようだ。
「...慈悲はない。」
そう、冷徹に言い放つと右手を前に突き出した。
「そっ、そんなあ〜。」
情けない声を出し、諦めたように、ガクッとなる。
「燃えろ...。」
「ヒッ。」
やばい、燃やされる、そう感じたスケルトンはカタカタ、ワタワタしだす。
しかし、“渋い声”が洞窟内に響いた。
「いや、やらせはせんぞ?」
「っ!?」
“渋い声”は背後から聞こえた。
シュナは顔だけではなく、体全体で振り返り警戒するが...。
「かはっ!?」
「おい!シュナ!?」
1人現実に戻ってきたようだ。
シュナは体をくの字に曲げ、そのまま倒れた。
「くそっ!、てめぇ何しやがった!!」
残りの1人も復活して、スケルトンに詰め寄るが...。
「いかんな、警戒が疎かだ。」
「ぐはっ!?」
また、“渋い声”が響く。
彼は左に吹っ飛ぶ。しかし、見た目よりタフなのかそれとも前衛職のお陰か、シュナみたいに一撃で戦闘不能になる事は無かった。
「くそっ!、誰だ!」
そこに居たのは、“緑の液体”。
いや、液体というよりは“ゼリー状のナニカ”だ。
「すっ、“スラジロー”先輩!!!」
「“スカル”君、無事でなにより。」
スケルトンは、魔物“スライム”、に話しかける。
そう、渋い声の招待は、緑の“スライム”である。
キリッとした目、濃い眉毛(?)、風を切るような佇まい(実際は、風が吹いたらプルプルする)は強者の余裕を思わせる。
「スライムか、珍しいな。」
先程吹き飛ばされた彼は、そう言いながら立ち上がり、剣を構えた。
この世界ではスライムは珍しい...。
かなり昔にはたくさん存在していたのだが、弱く、あまり好戦的ではないため新人の冒険者や騎士の実践の訓練のため狩り尽くされたのか、今はかなり見かける事はない。
「おい、手を貸せ。」
「シュナは?」
「ほっとけ。」
「了解。」
「あちら側は準備ができたみたいだ、どうした?スカル君。」
“スカル”と呼ばれたスケルトンは、キョロキョロ周りを見ていたがスライムの“スラジロー”に向き直ると。
「あの、“メイル”先輩は?」
「ああ、彼女なら直ぐにくる。」
スラジローはそう言うと冒険者たちの方へ向き直った。そして彼らを睨みつける。
ャッ.........。
いや.........実際には彼らの後ろをみている。
シャッ...................。
「来たぞ...。」
「ふぇっ?」
スラジローの言葉に、力が抜ける様な声で返すスカル。
カシャッ...................。
「?....なぁ、何か聞こえないか?」
「あ!?、今はそれどころじゃないだろ!気抜いてるとこっちがやられるぞ!!」
冒険者たちの会話が洞窟内に響いく...。
カシャッ.....カシャッ........。
「なぁ、やっぱり「うるせぇ!!、黙ってろ!!」...。」
カシャッ...カシャッ...。
「なぁ.....おい?」
「........。」
冒険者たちは先程の余裕がない。ただでさえ珍しいスライムに仲間を1人やられて、その上弱点や対抗手段も分からないのだ。
そこに、先程の魔物同士の会話と謎の音...。
「なぁ?」
「...。」
「おいって...。」
「.....。」
「聞いてんのか?」
魔物たちと彼らは異様な緊張に包まれている。
彼らは新手の予感、魔物たちは彼らの緊張が移ったのだろう。
カシャッ、カシャッ、カシャッ。
「ウオオおおおおおおッ!!」
緊張に耐えれなかったのだろう、先程の沈黙していた1人が、突撃した。
向かった先は、スカル達の方だ。
「あっ、おい!、っくそ!」
残された1人も意を決したのか、彼に着いていく。
「ふんっ。」
「ちょっ、ヒィィィィ!」
スカル達も待ち構える。そして...
ありがと♡