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薔薇ニ戀々  作者: 藍花 姫乃
睡燈恋
22/26

死枯 -シカ-

その日から、ルクスは食事を運ばなくなった。

あれから、何日、何ヶ月過ぎたかも分からない程。

ロゼだけでなく外の薔薇も、屋敷に近付く者を食して凌いでいたが、もう誰も寄り付かなくなった為、衰弱しきり、散り始めた。



また時が流れる。

もう外の薔薇は殆ど枯れ、朽ちてしまった。

シャンテロゼミサトも、枯れ始めた。

ロゼ自身も。

髪が茶色くなり始め、服も以前の様に白くはなくなった。


ルクスはロゼの頬に両手を添え、夢見るように語りかける。

「ロゼ……。何で? 何がいけなかったの……? 俺はただ……ただ、また声を聴きたかった、笑顔が見たかっただけなのに…………」

ルクスはロゼに優しくキスをする。


「ロゼ!!」

キスと同時に、ロゼを縛る荊が朽ちた。

地面に倒れてしまわないよう、ルクスがロゼを支える。

けれど、ロゼは動かない。

壊れてしまった玩具の様に。


シャンテロゼミサトは、ロゼは枯れた。


外の薔薇も全て朽ちた。


ルクス自身も、それをショックとし、髪が白くなる。

もう、声も出ない。

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