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薔薇ニ戀々  作者: 藍花 姫乃
睡燈恋
21/26

囚荊 -シュウケイ-

「……………………………」

ルクスは目を見開き、凍り付いた。

受け入れ難いものを、目にしたからだ。


ルクスは食事を見届けた後、ロゼのいる中庭に入った。


すると、ロゼを紅く彩っていたものが、白くなっていた。

足元に咲いていた、淡いピンク色をしたシャンテロゼミサトまでも。

ロゼを彩る唯一の色は、ルクスとお揃いの青い目だけ。

初めて会った時から魅了された薄紅の唇も、キスをして赤らめていた頬も、生気を感じられない程白かった。


そして、何より絶望したのは、そのシャンテロゼミサトが、今まで美しく咲いていたにも関わらず、蕾に戻り、固く花弁を閉じていた事。

このままでは食事が出来ない。

ロゼは、目を覚まさない。


ロゼが、食事を拒絶したと、ルクスは悟った。

地面に四肢をつき、俯き、目を見開きながら呟く。

「何で? ……どうして? 食事しなきゃ死ぬんだよ!?」


シュルリ……


何か音がした。

「…………っ!!」

開いたと、希望を持ったルクスは再び絶望に落とされる。

シャンテロゼミサトに、荊が絡んだ。


「っ!!」

シャンテロゼミサトに駆け寄った。

手が裂かれ、血だらけになりながらも、ルクスはその荊を引きちぎろうとする。

だが、びくともしない。


やがて、その荊に花がついた。


八つの、オレンジの蕾。

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