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No.5
僕は、『あの人』が好きだ。……誰よりも、好きなんだ。
今までずっと一緒にいて、そしてこれからもずっと一緒にいたい。願わくば、もっと近くで。
彼女の笑顔を、いろんな表情を、ずっと見ていたい。一緒に笑って、泣いて、それぞれの足りないところを補いあって。そうやって一緒に生きていきたいと、初めて思った。
部活の1つ上の先輩がいて、彼はよく僕の相談に乗ってくれた。彼自身も、その時の僕は知らなかったけど、複雑な状況の中で悩みに押し潰されそうになっていたのに。
でも今は分かる。僕も、自分は悩みで押し潰されそうだけど誰かの悩みを聞きたい、力になりたいって思うから。
そして、僕の『あの人』に対する想いは強く、彼女なしではつらいくらいになっていった。
話の順番は時系列通りそのままではないです。
ただ『俺』と『僕』のそれぞれの話は現時点では1つづつの流れになっています。