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No.2
ある日。色恋沙汰に目覚めだした同級生に、誰が好きなのかと聞かれたんだ。
僕は答えられなかった。自分で、誰が好きなのかわからなかったんだ。
そんなある日、ある幼なじみが言った。僕は『あの人』が好きなんだと。
そいつは、僕より僕のことを知っているんじゃないかと思う。
そして、僕はあの人を意識しだした。より一層、ずっと一緒にいたいと思うようになったんだ。
突然、あいつが女の子であると知った。俺の前で輝いていたあいつは女の子だった。かといって、あいつに惹かれたのは恋愛感情ではないだろうと思った。
ただ、あいつの輝きは、日増しに増していった。