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33. 3Years Later(3年後)Day-2 尋問

頬を押さえながら立ち上がったウィンがソファに近寄ると、マリーンが厳しい顔で手を挙げ制した

ウィンは手を後ろで組んで「Yes, ma'am」とその場に直立して見せた


(あらら、ずいぶん姿勢がいいこと、軍隊にでも入ったのかしら)


もちろん年齢的に入隊はないが少し安心した、少なくともホストや男娼ではなさそうだ


「今の仕事はそういうことにも厳しいの?」


「うん、毎朝点呼があるんだ

 軍隊や警察じゃないけどカタギの仕事だし、ちゃんと教育も受けさせてもらったよ」


マリーンは頷いたが、このコの言うカタギがどういうものかは問題ありだなと思っていた


「なんで1発目は避けて2発目は受けたのかしら?」


「右は素手だったから当たったらマリーンが手を痛めるよ、左手にはタオルを巻いてたから一発は殴られないとだめだろうなって、左を避けたら右アッパーが来るだろうし」


(ずいぶんよく見てる、そう言えばこのコは妙に喧嘩慣れしてるってジェイが言ってたっけ)


「配慮ありがとう、少しは大人になったのかしら

 でもね、ホントの大人ならごめんじゃすまされないことくらいわかるわよね」


「うん」


大人しく頷く様子は小さなウィンを思い出させ微笑みそうになる、簡単に甘い顔は見せたくないのだが

 

「で、あなたには訊きたいことがいくつもあるんだけど、まず、なんでピルを入れ替えたの?」


ウィンは『ああーそっちか』という顔で仰向いた、予想外の質問で言い訳を考えているらしい


「怒ってるんじゃないの、あれは私の我儘でジェイには悪いことしたと思ってるわ」


「僕は本当にガキだったんだよ、マリーンは相手してくれないし、でもマリーンのそばにはいたかったし、いっそ二人に子供ができて結婚すれば諦められるかなって思ったんだ」


「確かにきっかけがないと結婚までいかないわよね」


「今なら分かるよ、大きなお世話だったって

 マリーンがそんなことするからには理由があったんでしょ」


「それは私たちも同じね、学校に行ったり家族を作れば幸せだなんて大きなお世話だったわ

 じゃ、もうひとつ

 あなたって本当にジェイの子なの?」


「ジェイってばしゃべっちゃったんだ」


「全部話させたわよ」


「ジェイには勢いで言ったけど実はわからないんだ、僕は正確な年齢を知らないから

 母さんはジェイが父親だと思いたかったからそういうことにしてる」


母という人のことも聞いてみたかったが、マリーンはそこに踏み込むのは思い止まった

(それはジェイとウィンの問題だものね)


「なるほど、じゃ、最後にもう一つ

 あんた、ジェイとヤッたの?」


「違う! ってもう、ジェイはなんでそんなことまで話しちゃうかなぁ」


ウィンは後ろを向いて吐き捨てた


「本当に違うのね?」


「あれはクスリのせい、幻覚、父親となんてできないって」


「良かったわ、ほんとに兄弟になるとこだった」


「一緒にいると似てきちゃうのかな」


「なにが?」


「ジェイって下ネタばっか言ってたからさ、おっさんくさいのが伝染ったんじゃないの」


もう駄目だった

マリーンは吹き出してしまい、尋問?お説教?を終わらせるしかなかった

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