気持ち
月の灯りを
ふたつの手で掬う
指の隙間から
滴り落ちる光りが
わたしと同じ形の闇に変わる
影には気持ちまで写らないから
わたしはわたしを分ってあげられなかった
気持ちは夜空のように動かない
月の速さでゆっくりと徐々に
気持ちから離れているのは
わたしだと気付いた時
気持ちは光りになって
嬉しさや悔しさ
好きも嫌いも等しく照らして
わたしを支える隔たりのない道に
わたし一人分の影を写していた
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読んでくださりありがとうございました。