第2話 女神と銃
「さっきのは魔法なのか?」
アレンはさっきの少女から逃げ、広場から西にある公園の大樹の下で寝転んでいた。
「言葉が理解できないのは致命的だなどうしようか。少し、眠って後で考えよう。」アレンは疲れていたため、すぐに寝てしまった。
《アレン、目を覚ましなさい。》
「ここはどこだ?」アレンは目を覚ますと大樹の頂上にいた。
「誰だあんた?」
《私は女神です。》
「なぜ女神なんかが俺の前に現れる?」アレンの横にいる女神に話しかける。
《私はあなたを助けに来ました。》
「助けるって、まさか俺に言葉を理解できる能力をくれるのか?」
《はい、ですが今はあげることが出来ません。あなたは滝に行けばその能力を貰えることができます。》
「どう言うことだよ滝って?」
《さあ、行きなさい。》女神は俺を大樹から突き落とした。
「まじかよ!?」
「は、夢か。」アレンは一時間程夢を見ていた。
「滝に行けって言ってたな、朝が来る前にいってみるか。」
アレンは川に着いた。「結構この街広いんだな、面積は12㎢位か?この川はどこから流れているんだ?上流に行ってみるか。」
1km程上がってみた所、上流があった。
「おお、すごい迫力だ。」10m位上から水が落ちてきている。
「ここが女神の言っていたところか、滝の奥に何か空間があるな。行ってみよう。」
水が落ちてこない所を泳いで、滝の奥に着いた。先に道が続いている。早く行こう。
どんどん道が狭くなっていき、進み辛くなってきた。
「ここか……」
目の前には光る泉があった。
「女神、やって来たぞ。」
《早かったですね、あなたは言葉が理解できる能力がほしいのですね?》
「ああ、そうだその能力が欲しい。」
《分かりました、付与いたしましょう。》女神は杖を振り、杖から出た緑の光が俺を包んだ…
………
《これであなたは言葉が理解できます。》
「ありがとう女神!よし、行くか。」
《行く前に、これを受け取りなさい。》
女神は俺に、緑の石が入った杖と緑色の石を俺にくれた。
《杖があれば魔法が使えます。この石は精霊の石です。困ったときに使いなさい。》
「でも魔法の出し方が分からないぞ?」
《大丈夫です。あなたは魔法を使えるようになります。》
「わ、わかった。ありがとう。」
《さあ、行きなさい!》
「魔法はどうやって出すんだ?」アレンは色々杖を振ってみた。
「何もならないな。魔法練習本とかないのか?」
精霊の石を空中に投げながら遊んで広場まで歩いていると、広場にさっきの青髪の少女と男が二人いた。
「ナンパか?いやこんな時間に外にいるのは怪しいな。」
草の中に隠れながら見ていると、その男の一人は少女に魔法を掛けていて、もう一人は少女を殴ったり蹴ったりしている。
「なんで魔法が使えないんだ?しかもなんで殴られているんだ?助けないと!こういうときに精霊の石を使うのか!」
アレンは精霊の石を握ったり叩いたりした。しかし何も起きない。
「やばいやばい!あの子血がでてるぞ!どうやってつかうんだよこれ!」
アレンは杖を石に向かって降った。すると石は優しく光り、声が聞こえてきた。
(…あなたの左側に武器屋があるわ!そこに銃があるからそれを使って魔法を掛けている方の足に銃を撃ち込むのよ!)
「そんなん無理だろ!銃って訓練とかしないと上手く扱えないだろ!って魔法世界なのに銃かよ!」
(私が手助けをするから!早くしないとあの子が危ないわよ!)
「わかった。今だ!」
アレンは走って武器屋までいって銃をとった。
「弾はあるか、いくぞ精霊!」
アレンはスライドを引いて狙いを定める。
そして、トリガーを引いた。見事に足に命中し、男は崩れた。
[痛った!誰かいるのか!]
(隠れて!次はもう一人のお腹を狙って!)
アレンは隠れてスライドを引き、見えるギリギリで打ち込んだ。精霊のお陰でまたも命中し相手はダウンしている。アレンは少女を助けるために駆け出した。
「大丈夫か?早く逃げよう!こっちだ!」
少女の手をつかみ、男達が弱ってる間に走って逃げ出した。
あの男達は誰なんだ?