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69,泊まっていこう

 モーショボーに入ったらそのまま馬車である程度まで進み、人混みを進むのが困難になったらそこからは降りて歩きでギルドに向かい、報告を済ませた。

 向かったのは冒険者の二人と、アジサシからはチグサとアンドレイだ。他の者はこの後の移動に備えてアジサシ馬車で待機、ついでに商売を行っている。


 ベリアレスの目撃情報は処理の優先順位は高いが、そこまで珍しいものでもないのでギルドでの拘束時間はそこまで長くはなかった。

 なんなら道中で狩った魔物の報告の方が時間がかかったほどだ。


「さて、これでとりあえず終わったわけだけれど、この後はどうしようね」

「一旦アジサシまで戻ってから決めるか」


 ギルドでの用事はこれで終わりになったので、この後はまた自由時間になる。

 本当ならもう少し長く休暇を楽しむ予定だったのだけれど、元居た場所に戻ればベリアレスと遭遇する危険があるのでそれは出来ない。


 別の場所に移動してもいいけれど、それはそれで少し面倒だ。

 なんて軽く話し合いながら進み、人でごった返している広場までやってきた。その一角にアジサシ馬車を収めてきたのだ。


「お、戻ってきた」

「おかえりなさーい。どうなりました?」

「クエストを発行してもらったよ。こっちは……もう少しかかるか。よし、今日はモーショボーに泊まっていこう。買い出しは必要かい?」

「あ、あたしちょっと食料見て来たいな」

「オレも刺繍糸探したい」

「じゃあそれぞれお金を渡すから行ってきて。アンドレイ、宿を取ってきてくれるかい?」

「分かった」


 アジサシ馬車の前に出来た行列を見るに、すぐに出発というのは難しそうだ。

 というわけで宿泊することに決めて、チグサはギーネを手伝うためにカウンターに近付いた。

 買い物に出る者たちにはお金を渡して、それぞれについて行くらしいコリンとセダムを含めた四人を見送る。


 サシャについて行ったコリンは絶対に食欲からだろうが、レウコスについて行ったセダムは暇つぶしだろうか。

 二人は仲がいいし、この前も買ってただろ、という声が聞こえたので買い過ぎないように釘を刺すためについて行った可能性もある。


 なんて考えながらチグサはお客からご所望のものを聞いて、それを出してきてカウンターに並べる。

 二階から聞こえる足音はエリオットとカタリナだろう。二人はこの人混みでは呼ぶまで、いや呼んでも出てこないだろうから、しばらく姿は見れなさそうだ。


「それにしても忙しいねぇ……モーショボーで物流が止まったなんて話は聞かなかったけれど」

「モーショボーに来るの、久々だったっけ」

「そんなこともないと思うけれど……まぁ、繁盛する分には有難いか」


 なんだかいつもより混んでいるな、とギーネとヒソヒソ話しながら客をさばき、時間が遅くなってからようやく減ってきた人混みから馬車を引っ張り出し、宿へと移動した。

 宿の部屋に入ってから聞いた話では、モーショボー全体がどことなく混雑しているらしい。


「第一大陸に人が集まってきてるのかな」

「そうかもな。魔物の発生について話してる冒険者も多かったし、また魔力が高まってんのかもな」

「なるほど、ベリアレスは繁殖の時期だし、そうかもね」


 第一大陸には魔力が溜まりやすい。魔力が溜まりやすいということは、魔物が発生しやすいと言う事だ。

 そうなると討伐依頼が増えるので、冒険者としては稼ぎやすい土地になる。


 一時的に魔力が増えることも多い第一大陸では、こうして魔力が増えて溜まった時には近隣の、第二大陸や第五大陸のギルドにも通達を出す。

 そうして冒険者が集まって来る、という流れがあるのだ。人が多いのはそれでだろう。


 モーショボーは第一大陸で最も第二大陸に近い国なので、第二大陸から来た冒険者たちは目的地に行く前に大体がモーショボーに寄っていく。

 この時期は第一大陸ならばどこでも混雑しているのだろうが、その中でもモーショボーとレモラが特別混雑しているのは確かなはずだ。


「となると、とりあえず第一大陸からは出たいね。どこに行こうか」

「イツァムナーには最近行ったしな。……ポーションの補充でも行くか?」

「そうだねぇ……第五大陸の奥地に少し寄って、その後リコリスに行こうか。そのくらいは持つよね?思ったよりも使っていなかったし」

「団長、結構売れたから、余裕を見たいなら先にリコリスかも」

「おや……なるほど、確かに大分売れてるな……」


 チグサが居ない間に売れた分が思っていたよりもあったらしい。

 そんな確認が終わり、誰も反対意見は出さなかったので次の行先が決まった。

 モーショボーを出たら空を進んで海を渡り、第四大陸は迷いの森の中心部、薬屋・リコリスを目指す。


 その後の予定はまた後で決めればいいだろう。そろそろ何か面白いものが現れるかもしれないし、何もなければその時はまた気ままにフラフラと村を巡ってもいい。

 どこか別の場所で狩りの続きをするのもいいな、なんて考えながら、チグサはとりあえず宿の風呂を堪能しに行くことにした。

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