1/1
プロローグ
一人の魔術師が、博物館に侵入した。そして、こういった。
「やっと見つけたのサ」
暗闇の奥で誰かが言った。
「確かにあいつが夢中になってたのもわかるのサ」
そのとき、扉が開いた。
「おい、そこで何をしている」
魔術師はやばいと思い、その王冠を手に取り逃げ出した。
「侵入者だ。捕まえろ」
警報がウーウーと鳴り響き、警備員が飛び出してきた。
「ここまで来たのに捕まってたまるかよ」
と言い、虹色に煌めくきれいな羽を広げた。
そして、脱出に成功した。が、王冠を落としてしまった。拾おうとしたが間に合わず、落ちて砕けてしまった。散らばった破片の居場所が分からなく、魔術師は慌ててしまった。そのとき、
「そうだ、良い事を思いついたのサ」
と不気味な笑みを浮かべて、高らかに笑い出した。