かけたかけら
ぽろってこぼれ落ちたかけらは
砂の色をしていた
手に取ると
ぼろって崩れて
風に吹かれて消えてった
かたんって音して落ちたかけらは
朱の色をしていた
眺めてると
じわり黒ずんで
硬い硬い石になった
ぽとって流れ落ちたかけらは
涙色をしていた
地に落ちると
黒く染み込んで
そのまま呑まれて消えてった
からんって鳴って転がったかけらは
不思議色をしていた
白くて黒くて
宇宙のようで
手にすると自分が吸い込まれてった
ぱりんっていって割れたかけらは
無色透明で
手を伸ばしても
どこにもなくて
割れたかどうかも分からなかった
残されてったぼくのかけらは
何色をしてるんだろう
触れようとしても
分からなくて
ここにいることだけは確かだった