表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
箱庭から始まる俺の地獄(ヘル) ~今日から地獄の飼育員ってマジっすか!?~  作者: 白那 又太
~第6章~ 魔王降臨編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/125

地獄の74丁目 しばしの(非)日常

「さて、これからしばらくは我以外はあるアルカディア・ボックスに籠ってもらわなければなるまいな」


 デボラがみんなを集めて今後の方策を検討するというので、またしてもローズ邸に集合し、簡単な会議を始めた。何かあるとすぐに会議室に集まるので段々と会議室の中の設備が充実してきている。例えば飲み物を冷やしておく冷蔵庫。これは人間用と魔族用で分けてある。一度、間違えて魔族側の冷蔵庫の中身を飲みそうになり、寸前で気付くことが出来たが、もう人間側にグレープ系の飲み物は置かないと誓った。紫色の飲み物は魔族用!


 さらに、地獄側と通信できる華目羅と照美(テレビ)。スマホ(魔)と通信することが出来るので、これは何かあったときに連絡手段としても便利だ。普段はテレビ会議用に使用している。ローズや(意外にも)ステビアがたまに人間界のドラマを盗み見ているらしいが、受信料は俺が払ってるからいいだろう。キャラウェイさんは地球の生物を追いかけるドキュメンタリーがお気に入りだ。


「地獄にいるよりは、下手をすると人間界の方が安全かもしれませんね」


 ベルは人間界でお忍びで暮らす案を提案した。確かに正体さえバレなければ問題はなさそうだ。だけど……。


「ベルとキーチローの勤め先は奴らに掴まれているんじゃないか? 奴らが人間界でちょっかいを出してくると、地獄よりはるかに厄介だ」

「それは確かに……。そうすると今の職場は諦めないといけませんかね?」

「脅威を取り除くまではしばしキーチローと共に休職という扱いにせんといかんな」


 一緒に休職って何か勘繰られたりしないだろうか。しかも俺は直接伝えられないので書面による申請しかない。下手をするとクビを切られる可能性すらある。はっきり言ってマズイ。


「あの……、フェニックスもここに呼んでいい?」

「おお、そうだな。アル! ここに召還すると伝えてくれ!」


『畏まりました。デボラ様』


 やっぱり、軽さが無くなってる。執事みたいな話し方になって、レベルアップしたのは分かりやすいが、前のアルも懐かしく感じる。


 デボラが天井に向かって手をかざすと、魔法陣が現れ、フェニックスが召喚された。もはやゲームの中の出来事だ。


「お呼びですぴ?」

「ねぇ、フェニックス……いや、そうか。名前まだ考えて無かった。名前も一緒に考えますね。えーと……燃える燃える……エイダンてのはどうでしょう(インターネット調べ)。一応、男の子でいいんだよね?」

「なんとなく気に入りましたぴ」


 そして、エイダンも例によって光を放った。


「ふーむ。名前を付けてもらうと魔力が飛躍的に高まるようですね。これだと大体一週間ぐらいでキーチローさんを蘇らせてあげられそうです」


 あ、“ぴ”が消えた……。アイデンティティが、かわいらしさが、キャラが……。とはいえ聞きたかったことが返ってきたので、他に気になったことを聞いてみることにした。


「そういえばフェニックスって何食べるの?」

「物は食べませんね。魔力を食すのでどちらかと言うと魔族の皆さんに近いかと」


 燃えてる手乗り文鳥のような容姿で真面目に話されるとソレはソレで可愛らしかったりする。


「さて、我は一旦地獄に行って閻魔と話を詰めてくる。危険が伴うので今回は一人でよい」

「しかし、デボラ様……」

「良いのだベル。例え攫われても全員が捕まるよりマシだ。さすがに地獄の中枢で奴らも無茶はせんだろう。無いとは言い切れんが」


 奴らの気ままはレベルが違うからなぁ……。早くどうにかしないと地獄の生物全てに被害が及びそうだ。やりたいようにやられちゃあ、あの人数と言えど無視はできない。問題は俺に何の力も無いという事だが。


 という訳で、俺はアルカディア・ボックスに居残り。ベルはキャラウェイさんの付き添いの下、人間界でたくさんの人間を誘惑……じゃなかった。ちょっと休職届を提出しに弊社に。デボラは単独で裁判所に。ローズは山へ芝刈りに行ったとさ。


「さて、ダママ。散歩行こうか」

「魂なら噛んでいい?」

「ダメ、絶対!」

「毒関係ないかもよ?」

「万が一があるからダメ!」

「そんなあなたにマンドラ……」

「よし! 今日はあっちの森だ!!」


 ダママ達もだいぶ会話がうまくなった。コキュートスではあわや全滅かと思われたが、ドレメレクが復活するまでは、大いに戦力になってくれたしな。あ、そうそう。カブタン以外のヘルワームだが、カブタンと数日の時差で彼らも脱皮した。姿は全員同じだった(オスとメスで角の本数の差はあるが)。彼らも最後の脱皮を終えたことで繁殖が可能となり、人知れず頑張っているらしい。具体的なことは敢えて聞くまいが。ついでなので、ここでアルカディア・ボックス内のさらなる変化についてレポート。


 ヘルコンドルのラッキーは飛行速度が大幅に強化されて、もはや一基のミサイルと呼べる代物になってしまった。恋人探しは継続中だ。ウッディーも仲間を順調に増やしているようで、その森では長としてあがめられている様だ。ちなみにウッディーの腕にはキラービーのラビィの巣がある。こちらはカブタンのような単独の戦闘力は無いが、集団戦がめっぽう強そうだ。ラタトスクのマリスはこれと言った見た目の進化は見られない。ただ、ものすごく知恵がついたようで、最近ではキャラウェイさんと小難しい会話をしていたりする。


 サラマンダーのリサもそうだが、地獄への行き来が出来なくなったので、パートナー探しに支障が出ている。繁殖こそがこの箱庭の最大の目的なのに。あ、ちなみにリサは吐く炎が大きくなりました。もしかしたらボックスの成長に伴ってまだ進化するかも?


 フェンリルの群れはヴォルの奪還に成功したことで、落ち着きを取り戻した。ヴォルもグンと力やスピードが付いたようで、伝説級の生物は成長力の違いを見せつけている。


 とまぁ、主要な変化はこんなところか。あ、白金魚のレディは泳ぐのが早くなり、外殻の硬度が増したようで、ピラニアもどきは文字通り完全に歯が立たなくなった。池の中では無敵の存在だ。


 一見すると、全体として戦闘力というよりは各種能力の向上が見られる程度で、少し安心した。俺のせいで不自然に進化を遂げたらカミサマは黙ってるのだろうか。心配の種である。


 そんなこんなで五日後、デボラが戻ってきた。閻魔大王との長い話し合いに決着がついたようだ。

読んでいただきありがとうございます!m(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ