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箱庭から始まる俺の地獄(ヘル) ~今日から地獄の飼育員ってマジっすか!?~  作者: 白那 又太
~第3章~ 魔草マンドラゴラ編

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地獄の32丁目 効能30時間?/ボックス内の変化②

 電源でも落ちるかのように、俺の体はプッツリと眠りに落ちてしまったようだ。時計を見ると、時刻は朝8時。今日が月曜日だなんて信じられないが、俺はまだ()()だ。普段なら遅刻が確定し、むしろ冷静な気持ちになる時刻である。


 パソコンを見ると、【ラタトスク】の項で止まっていた。俺は優雅にコーヒーと朝食の用意を始めた。会社には連絡をしておいた方がいいのだろうか。いや、しかしベルの口から別な理由で休むことになっている可能性も考えられる。ここは口裏合わせの相談をしておくべきだろう。スマートな報連相を心掛ける。社会人二年目、抜かりはない。


********************

【ベル】


キ:今日の休みの件ですが、俺から皆さんに連絡した方がいいですか?


ベ:私から()()と伝えておきます。とにかく、あなたはその()()を治してから出てきてください!


キ:畏まりました……。

********************


 理由はどうあれ、この不健全な健全状態を病気扱いされるのは少し心外だ。地獄と魔王様に尽くした結果なのだからそこを考慮して欲しい。


 俺は、少し冷めたコーヒーと少し固くなった食パンをかじりながら、改めて作業に向かうことにした。


【ラタトスク】

栗鼠(リス)。オス?

備考・・・名前なし。


リスに一本角が生えている。主食は見たまんま木の実とかでいいだろう。ただし、人間界のもので代用できるか要検討。

性格は少し歪んでいる様だ。他人の争いが好きらしい。


通称、地獄の出っ歯。


【ヘルローズ】

植物。動かない。毒有。

名前……付けるのかな?


黒いバラだ。それ以上でも以下でもない。ただ、棘に猛毒があるらしく、うっかりダママの件より早くマンドラゴラのお世話になるところだった。草や花は無口な奴が多く、話しかけても反応が無いことがよくある。

草花には水だろう。念のためこの辺はキャラウェイさんや魔王様と相談。


通称、地獄の薔薇(飽きてない。断じて飽きてない)


【ドラクラ・シミア】

植物。動かない。人間界のものと違い、花粉に幻覚作用有。

同上

猿の顔の様な花だが、地獄のものはこの顔がそのまま話しかけてくる。最初はびっくりしたが、慣れてくると可愛く見える。今思うと可愛く見えたのは幻覚作用だったのかもしれない。

エサ、同上。


通称、地獄の猿面花。


【ヒクイドリ】

夫婦。気の毒な身の上。

備考・・・名前なし。


紅い羽毛に覆われており、翼の骨が通っていると思われる部分のみ黄色く筋が入っている。美しい鳥だ。そして、夫婦ともに声も美しい。フェニックスの原型の様な鳥に思える。

エサは地獄の火らしいのでいくらでも調達可能。ということはやっぱり減少の理由はきっと密猟だろうな。


通称、地獄のおしどり夫婦


【トレント】

ウッディー

魔樹。元気に動く。多分オス。


見た目は木そのもの。擬態していると見つけるのは難しい。

エサは……太陽と水か?

減少していないんだろうが、魔王様の『森が作りたい』の一言で捕まったある意味可哀想な木。


通称、地獄の気になる木


【キラービー】

ラビィ

危険な蜂。オス。

名前の通り強い毒性を持つ蜂のようだ。基本は花の蜜をチュウチュウやってるみたいだが、その花もまた危険な花らしい。地獄絵図はこんなところにもありました。

トレントのウッディー曰く、刺されたらギャグマンガみたいに顔が腫れるどころじゃ済まないらしい。木にも有効な攻撃なのだろうか。


通称、地獄のハッチ


【アルミラージ】

モコモフうさたん。角あり。

備考・・・名前なし


少し大きいウサギに角を生やしたような生物。目は赤く、歯もそれなりに鋭い。……が、いかんせん全体のフォルムは愛らしい。きっと、ベル、ローズの癒しとなってくれるだろう。問題は低くて渋いボイスだ。フォルムに似つかわしくない重低音がそこはかとない哀愁を誘う。


通称、地獄の健さん


【マンドラゴラ】

(故)の他に二株。全部オス。

備考・・・名前なし


茶色い木の根が怪しく枝分かれし、手足のように見える。顔もムンクの叫びの様な恐ろしい形相をしていて抜かれた時に文字通り叫ぶ。一般人が聞き続けると発狂して死んでしまうらしい。


だが、俺にとっては命の恩人だ。毒を持つ生物が多い地獄でこいつの育成は不可欠だ。こいつを通じて割と衝撃の事実も判明した。


通称、地獄の万能薬♂


【アルラウネ】

二株。全部メス。

備考・・・名前なし


花から下はほぼ緑色の女性だ。成長すると根っこではなく光合成と男を栄養にして活動するらしい。こっちは邪心とかではなく文字通り“男の血”が栄養になるそうだ。なるべく近づかないようにしよう。そもそも、地獄の刑場(しかも邪淫の罪)に配置されてるわけだからそうそう幸せな目には遭えないってこった。心せよ!


通称、地獄の万能薬♀



 …………。ふぅ。俺はスマートに作業を終え、コーヒーのお代わりをする。社会人になってから睡魔に襲われることが多くなり、缶コーヒーを愛飲するようになったが、もう体がカフェインに侵されてしまった。最近では耐性が付き始めたのか、眠気覚ましにはほとんど効果が無い。


 この調子で、アルカディア・ボックスの整地と配置も終えてしまおう。まず、現在の拠点としてはローズの仮宿があるが、この先、働く人が増える(予定)のだから、宿舎や、会議室は別途あってもいいと思う。そのためには、あのローズの家を開放してもらうしかない。こっちは要相談だな。


 そして、50メートル先にはカブタン達の小屋。本来、トレントの森に放してもよさそうだが、まだ色々と準備不足だ。今は小屋を増設して、それぞれの飼育に専念するべきだ。なんせトレントからして森と呼ぶには程遠い。


 ということで、第一次アルカディア・ボックスはテーマパーク形式の飼育にしようと思う。要は動物園式だな。生態ごとに住み分けて飼育を行い、繁殖に成功したらエリアを広げていこう。魔王様の魔法なら何とかなるだろ。


 概要としてはローズ邸を中心に北に森エリア。南に平野エリア。西に水棲エリア、東に暫定フィールドと言った具合に。これなら、ダママもある程度退屈しない散歩が出来そうだ。


 もちろん、地獄の特性もあるようなので、今後エリアの改築・増築はどんどん必要になるだろう。だが、大丈夫。俺達には魔王様がついてるから。


 良し! OK! 昼飯でも食べてその後はスマホ(魔)でエサやりだ!

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