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箱庭から始まる俺の地獄(ヘル) ~今日から地獄の飼育員ってマジっすか!?~  作者: 白那 又太
~第3章~ 魔草マンドラゴラ編

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地獄の30丁目 余命??時間/ミナギルチカラ

 さて、突然だが率直に言って危機である。キャラというか貞操というか、レーティングの危機である。


 順を追って説明しよう。


 マンドラゴラ及びアルラウネを少々手に入れた俺達は、死の森から即座に脱出した。なんでも、死の森の中の特定の場所には辿り着けないが、家の位置は不変なので座標を指定すればひとっ飛びなんだそうだ。


 この辺のチート感はいまだに慣れるものではないが、命が助かるなら四の五の言う気はない。むしろ、同じ距離を歩かなくて済んだ分、感謝の念しかない。


 問題はその後に発生した。


「さあ、キーチロー君。マンドラゴラ他、各種薬草を煎じたものです。これで君の体の毒は完全に消え去るでしょう」

「では、改めてマンドラゴラの尊い犠牲に感謝しつつ……いただきます」


 キャラウェイさんは俺の口上に満足気だった。初めて出会った時もそうだったな。


「飲みました?」

「はい。全て。死ぬほど苦くてハッキリ言ってマズイです」

「はい、犠牲に感謝をリメンバー」


 俺は苦みをこらえながら薬の入っていた器に向かって手を合わせた。


「では、大したことないのですが副作用について説明しましょう」

「ふ、副作用!?」

「はい、お薬にはつきものですから。ま、死ぬよりはマシでしょう?」

「後から言わないでくださいよ!」

「どうせ助かるためには飲まなきゃいけないんですから。さっきも言った通り大したことは無いですよ。ほんの二~三日ほどで収まります」


 お、収まるってどういうことだ。どんな症状が出てしまうんだ!


「このマンドラゴラは精力剤や媚薬にも使用される……」

「ちょっと待ってください!」


 こ、この前振りは非常に危険な香りがする……!


「まあ、早い話が二~三日ほどキーチロー君は()()になるってことですよ」


 魔王様は知っていたのだろうか。必死で笑いをこらえている。いや、こらえきれていない。


「会社、行けない! お婿にも、行けない!!」


「き、キーチロー……、ベルやローズに……ウグッ……ブフッ! 自慢してやれ……ンン゛ッ!!」


「キーチロー、元気か! 良かったな!」

「もう……サイテー!」

「元気があれば何でもできるぞ! うおおおお!」


 チクショウ。本当にそんな状態じゃ会社に行けないぞ。それどころか電車に乗る事さえマズイ。そんなことが許される(?)のは某新宿の種馬だけだ。俺の獲物はマグナムどころかニューナンブだ(調べなくて宜しい)


「命の代償としては安いものです」


 キャラウェイさんの満点スマイルが降り注ぐ。俺はもう椅子に座ることにした。


「いや、しかし見ていて飽きないものですね」


 キャラウェイさんすらクスクスと笑いながら俺に話しかける。


「あまりジロジロ見ないでください。そうでなくても一回裸を見られているんですから」


 魔王様は俺を押しのけるようにキャラウェイさんに答えた。


「そうでしょう! アルカディア・ボックスも充実してきた事ですし、協力の件どうかご検討を!」

「わかりました。前向きに検討しましょう。ただ、こちらでやりたいこともまだ残っていますのでそちらに掛かり切りにはなれませんが」

「十分です! 『地獄生物大全』作者であり、先々代魔王の協力があれば、一層理想郷の名にふさわしき箱庭となりましょう!」


 魔王様は両手の拳を突き上げ、大いに喜びを表現した。


「よし、キーチロー。偶然もあったが、思いのほか早く作者が見つかって良かった! 今日は箱庭へ戻ろう!」

「いや、俺は部屋に直接戻りたいです。何せ……その……」

「プッ……! そうか、そうであったな。しかし、現在のアルカディア・ボックスの様子も気になるであろう?」

「それはまぁ、確かに」


「そこで、我の出番という訳だ! ふん!」


 魔王様の右手がいつものように光り、手のひらにはモノアイの化物――アーリマンのような――が乗っかっていた。


「魔道具、華麗に目の代わりをすること修羅の如し! 略して『華目羅(カメラ)』!!」

「そして、もう一つ!」


 今度は左手が光りだし、見た目はそのままのヘッドセットが乗っていた。


「魔道具、『魔移句(マイク)』!!」


 こっちはもはや省略前すら紹介してくれない。


「華目羅をマツの頭につけて……」

「えっ!? あたし!?」

「こっちの魔移句はキーチローに」


「よし! できた! さあ、ダママ! 我らはアルカディア・ボックスに戻るぞ! キーチローは部屋に転送してやる!」


 大体の予想はつくが、やはり魔王様。楽しんでおられる。


「では、キャラウェイ殿! また近々!」

「はい、ぜひ」

「おっと、その前にこのスマホ(魔)を……」


 キャラウェイさんは手渡された物体を不思議そうに触ったり、裏面を覗いてみたりした。


「これで、我々といつでも連絡を取れますので!」

「ふむ、実に興味深い……!」

「では、今度こそ! さらば!」

「キャラウェイさん、色々ありがとうございました!」


 数瞬前までキャラウェイさんが手を振っているのが見えていたが、気が付くと俺は自分の部屋に転送されていた。



 さて、アルカディア・ボックスの声を拾うにはこの魔移句とやらを頭に着ければいいのか……? スマホ(魔)でいいような気もするが。


 片やスマホ(魔)の電源を入れるとマツの目線だろうか、魔王様の尻がアップで映っている。はっきり言って今の俺には大変刺激が強い。


「随分と久しぶりな気がするな! ベル! ローズ!」

「デボラ様……この度の地獄巡り、お疲れ様でございました」

「お留守番はキッチリ完璧ですわ! デボラ様!」


 ベルとローズが心なしかやつれているが、元気そうではある。良かった良かった。


「ところで……キーチローさんは……?」

「ん? ああ、奴か? 奴なら……」


 マツの映像が少し乱れる。後ろ足で頭でも掻いている様だ。どうやら魔王様はベルとローズにそれぞれ耳打ちをしているように見える。


「奴ならな……ヒソヒソ」

「なっ……!」

「まぁ……」


 顔を真っ赤にしているベルとニヤニヤしているローズ、そして腹を抱えて笑う魔王。それを華目羅とかいうもので見せられる俺。


 

 これは一体何のプレイだ!



 そしてこの一連のやり取りに飽きたのかマツの目線が下がる。


「マツ! もうちょっと目線あげてくれ! さっきから全員の太ももしか映ってない!」

「キーチローさん! 聞こえていますか!? 月曜は出社を禁じます! いいですね!」

「は、はい……。出る気は元々ありませんが……」


 華目羅いっぱいにベルの顔が広がっている。耳まで真っ赤にしてこちらに訴えかけているということは相当、嫌なのだろう。


「ちなみにアルカディア・ボックスに来るのもダメです! お、治まってから来てください!」

「私は別にいいからねぇ~? キーチロー」


 その後、悪魔二人で小競り合いが始まったようだが、俺はマツに暫定フィールドに向かってもらうようにこっそり指示した……。

応援、コメント待ってます!(^O^)/

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