この世界について
国語の勉強も兼ねた作品です。見てくれたら嬉しい
俺が犬になって一週間経った。この犬の体にも慣れてきた。人間とは動きは違うものの異世界転生あるあるみたいなもので動きに不自由はない。歩こうと思えば歩けるし、吠えようと思えば吠えれる。ただ、二足歩行しようとすると結構キツい。この一週間で様々な情報が手に入った。まずは周辺の情報。今俺が住んでいる場所はミッドという国のガルラという地方に住んでいる。この世界では国はあっても市や県といった物は存在しないらしく代わりに○○地方というように表現されるらしい。そしてそのガルラ地方にはかつて魔王を倒した伝説の勇者が生まれた地方らしく他国から観光客がくる有名な地方らしい。そんな地方に住んでいるのが我が天使エリナ。エリナの本名は、エリナ・N・エルダースという名前のようでエルダース家は貴族で相当なお金持ちらしい。屋敷に客人が入ってくるのもそんなに珍しい光景でもない。ではエルダース家の家族構成をわかっている範囲で説明させてもらおう。まず、祖父のドルゲ。この男いつもいつも不機嫌そうな顔をしており、周りからは怖いおじさんとしか思われていないようだ。普段は無口だからそのイメージが定着してしまうようだ。だが実はそんなことはなく非常に優しい爺さんでエリナがいない時俺と遊んでくれる良い爺さんである。次に祖母、アルカ。この婆さんこの地方の様々な情報を握っているヤバい奴。人脈が広く貴族でない人に対しても隔てなく接しており、探している人がいるなら真っ先にこの婆さんに頼るべきだろう。たまにエリナと一緒に遊ぶことがある。続いて父のエドガー。彼は元々冒険者として魔物や害獣の討伐をして生計を立てていたようで、その腕は彼が仕事を引き受ければ絶対に解決すると言われある意味ブランドのような評価が下るほどの腕前だったそうだ。だがある日魔物討伐の時に怪我をしてしまい後程説明するエリナの母マヤに助けられ恋に落ちたそうでその後付き合い子供が出来たのをきっかけに冒険者業を引退し、冒険者時代に稼いだお金を元に店を出しそこで商人として働いているようだ。お次はエリナの母のマヤ。彼女はメリス地方の出身のようでマヤの母が回復魔法の使い手だったらしくその力をマヤが受け継いだようだ。その回復魔法でエドガーを助けて現在のような位置になったみたいだ。実は彼女赤ちゃんを身ごもっているようで出産は近いようだ。優しい人で美人さんだ。お次は天使エリナ。彼女は優しい子で元気で可愛い最高の美少女!命の恩人で俺を見つけた時真っ先に飼う事を決意していたみたいだ。とまぁ長々と説明させてもらったがこんな感じの所に飼わせて貰って幸せだ。俺はここで第2の人生、いや犬生を全うするときめたんだ。ただ、会話が出来ないのは少し寂しい。意思疎通が上手くいかないのは悲しいことだ。だが俺は諦めない。この世界には魔法が存在することが分かった。ならば俺がみんなと話すことができるはずだ。だから俺はこの家の番犬になってこの家を守りつつ情報を探っていくことを決意した。犬にしかできないやり方だってあるはずだ!やってやる!やってやるぞ!そう思ったその時だった。
「おーい、ベガ!ベガはおるか?」
ドル爺の声だ。早速ドル爺の所へ走った。ドル爺は何度も呼んでいる。よほど遊びたいのか。そう思ったが違った。到着した時俺は異変に気づいた。ドル爺の口が空いていない事だ。ドル爺はいつもより怖い顔をして低い声で俺にこう訪ねた。
「儂はお前さんに対して魔力を使い話しかけた。じゃがお前さんはこちらへ来た。儂の言葉を理解できるのは人間か強い魔力を持った魔物だけじゃ。普通の動物には理解出来ぬからの。おぬし何者じゃ?ただの人間は犬にはなれぬ。魔法でなることは出来るが魔力が尽きるはずじゃ。じゃが、儂らに近づき魔力の尽きることなく犬の姿でいられるのは経験上魔物だけじゃ。申せ、何者じゃ。嘘をついたならば殺す。」
本気の目だ。俺転生一週間目にして最大のピンチ。どうしよう。
爺さん何もんだよ…