表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

碧空の下で 030

 やれやれ、やっと日本の大阪北部に着いた。関空から南海電車に乗って、大阪市街を目指していた。泉佐野、泉大津、岸和田、堺と過ぎて行き、大和川を渡ろうとして、突然車掌のような誰か、いや、迷彩柄の服を着ていたから民兵か。そんな人がパスポートを見せろ、と要求してきた。そこが国境となっているのか。民兵曰く、大阪や京都、米原や北陸三県から直江津あたりは西日本が、堺、奈良南部、東海地方は東日本が掌握しているからだという。

 あそこまで玲瓏として見えていた、大阪という街が灰色がかった壁により阻まれるなんて。

 入国審査が過ぎれば、大阪から電車やバスで茨木に戻った。しかし、生家はもうなかった。強制収容所になっていたのだ。アウシュヴィッツ・ビルケナウ並みの惨劇が、目の前で繰り返されていたということは言うまでもない。

 あの日記を渡せば、どうなるのだろう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ