6.閑話休題、死の覚悟
色々ごめん。
ちょっとこれはもう一度死ぬ覚悟決めへんとあかんな。
俺はパニックのあまりネットで学んだエセ関西弁が出始めていた。
また死んでも転生できるんやろか。せやったらまあ正直死んでもええわな。むしろ今から次何を神に要求するか、ちゃあんとプレゼン考えとくんが一番ええかもしれへん。
でも、今回転生できはったからって次どうなるんかなんて誰にもわからん。やっぱ命大事にせえへんとあかんのちゃうか。お前それは流石に早すぎや、ゆうて、もう転生の輪から追い出されるんとちゃうか。
せやかて、わいも、十分頑張ってんけどなあ。世のなかのこすい小悪党どもなんかよりかは、真面目にしっかり生きてこう、思うとってん、わいも。そんなわいがこんな報われないんはちょっと神様もまちごうとるんとちゃいますか。そろそろ、わいに一言詫び入れてくれるべきなんとちゃいますか。
そうわいは思います。
でもなあ。やっぱ実際どっちにしろまた死ぬんは嫌やなあ。
無茶苦茶痛いねんあれ。
それに大体わいもいろいろ科学の本とか読むから知ってるねん。人間は正味脳みそで考えとるんやろ。でもわいの本物の体も脳みそも全部焼かれて粉々になってどっかのお墓に入っとる筈なんや。せやったら、一体今のわいってなんなんや?神の作ったクローンかなんかか?
あかん、やめやめ。この方向性の話はむなしゅうなるだけや。何も生まんわ。
大体、どっちにしろもう、生きるか死ぬかや。策を練る頭も無いわいに選択肢なんてないんや。適当に剣振り回して、ほんで結局、死ぬか、生きるかや。
もう今のわいには家族も友達もないんや。なあんも捨てるもんはない。
ただ、死ぬ前にもう一回伊勢海老食べたかったなあ。あれごっつう美味いやん。