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5.ゴブリンを見つけたよ。

 外に出るとしばらく、アヤメは大はしゃぎだった。どこから出るんだかわからない変な奇声を上げて、本当にうるさかった。そして一方俺はお腹が空きつつあり、彼女に構うのもおざなりになってきていた。


 そうして俺が"やれやれ"していると、突然首筋に大きな打撃をくらった。

 どうやら、俺はこぶし大の石を投げられたらしい。振り返って見れば、黄色い目をした緑色の化け物が3匹粗末な獣の皮を纏って立っていた。俗に言うゴブリンという奴だ。

 石は大方、頭を狙って彼らが投げたのが外れたのだろう。石を投げたのであろう体の小さい1匹が他の2匹に笑われ、罵られていた。こっちのことは眼中にない。体は小さいがこっちは大分舐められているようだ。


 正直俺は大分焦っていた。ゴブリンたちは皆石斧のようなものを手にしている。

 あれ頭に当たったら死ねるぞ。普通にやばいんじゃないか?


「アヤメ、お前強いんだろ、特殊能力とかないのか?」

「さあ、正直、自分に何ができるのかわからないの。"自分のことって、知っているようで、なんにも知らないものね。"」

 ふざけた誤魔化し方だ。大方何かのキャラのセリフだろう。

 正直、ゴブリンが来たのはこいつがうるさかったせいだと思うのだが。


 さて困った。いくらあっちが楽しいお喋り中だとしても、俺が逃げるのを許す筈がない。

 かといって、戦って勝てる相手なのかはさっぱりわからない。そして俺には物語の主人公みたいに奇抜な策を講じる頭はない。

 背筋に汗が流れる。


 ゴブリンといったら最近のゲームでは序盤の雑魚キャラだが、昔のゲームだったら序盤にゴブリンを倒せるまでが1番の山場なんてゲームはざらにある。この世界はどういう難易度なんだか。

 それに俺は、勇者になるため修行をしたわけでも、すごい血筋を持つわけでも、異能の力を持つわけでもない。

 ハイテク技術に囲まれぐうたら三昧やっていた俺みたいなパンピーに何ができるだろう。俺にできるのは、卓球と数学と音楽鑑賞くらいだ。この世界での戦闘力は一般村人より遥かに格下であるのは疑いない。


「どないしよ…。」


 控えめに言って絶対絶命ちゃうか?


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