無知は残酷
「熱帯魚」
主に熱帯地域に生息し、鑑賞目的に飼育する魚類を指す
まだ僕が小さい頃、家で熱帯魚を飼う事になった。
種類は覚えていないが、僕にとっては初めてのペット(?)だった。
僕はその熱帯魚に「ロッキー」と名付け、それはもう大切に世話をした。
水槽の掃除から餌やりまで全て僕がやった。
まだ幼稚園児だったので、水槽の水を替えるだけでも大変な作業だったが苦ではなく、ロッキーに話しかけながらいつも楽しくやっていた。
3歳上の姉と喧嘩した時も、親に怒られて泣いた時も、水槽の中で元気に泳ぐロッキーを見ていると
『元気出しなよ!』
と、ロッキーが慰めてくれているようで、自然と元気が出てきた。
僕はロッキーが大好きだった。
ある日幼稚園が終わって家に帰り、いつもの様にロッキーに餌をあげようと水槽の所に行くと…
ロッキーが水面に浮かんでいた…
どう見ても生きてはいなかった……
当時両親が共働きだったので、日中家に居るのはおばあちゃんだけ。
僕は泣きながらおばあちゃんにロッキーに何があったのかを問い詰めた。
するとおばあちゃんから信じられない言葉が!
「さっき水槽のお湯がぬるくなってたから、ポットのお湯を足しておいたよ。気持ち良くなって寝てるんじゃないのかい?」
水槽の、お湯?
ポットのお湯を、足した…?
「熱帯魚」
主に熱帯地域に生息し、鑑賞目的に飼育する魚類を指す 。飼育する際の水温は24度〜26度が適温。
決して熱湯の中で気持ちよく昼寝ができる魚ではない。
その後おばあちゃん猛反省。
僕はちょっとしたトラウマ…




