第四話:選抜
登場人物については時々更新するのでこまめにチェックしてくださいね
いよいよ選抜がやって来た。高嶋先生が試験の説明を始める。
「えーお前達にはそれぞれ希望するポジション毎にノックを受けてもらう。もしも他のやつとポジションが被った場合は交代で希望するポジションに入ってもらう。その間他の奴は別のポジションを守るというわけ。いろんな場所守れた方が強いぞ。質問は無いか?」
「ありませーん。」
皆が答えた。
「よし、では始める。」
皆はそれぞれ自分が守りたいポジションについた。…と言っても試験を受けるのは13人なので、中松、村多、大久保、小村の四人は抜けた。野球部なので試験は免除されるそうだ。さっき高嶋先生と春吉先生が話し合って決まった。
それもそうだ、と侑人は思った。野球部の四人がいなければ試合にならない。だから、残りの8人の枠を9人で争うことになった。 侑人はライトを守りたかったので、ライトの守備位置に就こうとした。すると、隈元朋征がきた。
「おや、だらしない部の侑人君もライトを希望かい?」
隈元は、生徒副会長だ。いつも生徒会長の川野について回っている。
「うん、そうだよ。でも僕は後でライト守るよ。」
そう言って侑人は隈元に譲り、自分は空いていたセカンドの守備に就いた。 ノックが始まった。
一球目は、ショートを守る三木の所に打球が行く。
流石は全国大会に走り高跳びで行った身のこなしでファーストの悠琶に送球する。次は侑人の所に打球が来た。侑人は落ち着いて捕球し、悠琶に送球した。結局全ポジションに一回ずつ打球が飛んでいき、ポジションを交代することなく終わった。 「よしよしお疲れさん。では、結果を発表する。」皆が唾を飲んだ。
「…三木、悠琶、地田、大場、原三、苺岬、原敬、…桟田侑人。…残念ながら隈元は落選だ。」
よし!侑人は嬉しくて三木や悠琶と喜びあった。
「選ばれたからには頑張れよ!」
野球部の4人も祝福してくれた。こうなったら絶対に活躍して友希弥ちゃんを… 「…何で俺が…あの侑人の奴め…俺の友希弥を狙いやがって…」
隈元はかなり悔しがっていた。(友希弥は隈元と付き合っていません。念のため。)隈元は一人校庭を後にした。
学校が終わり、侑人はサイクリング部の活動を行っていた。毎年夏に3年生がお別れサイクリングと称して九州を一周するのだ。他に三年間を通してこれと言ってサイクリング部にとって一番の行事だった。
侑人はそれに向けてのトレーニングをしていた。トレーニングが終わり、帰る頃には真っ暗になっていた。侑人は家までの道のりを歩いて帰る。学校から家へと続く道のりの半ばに来た頃、突然後ろから来た男に棒のような物で殴られた!侑人は気を失った。
その時、侑人を殴った男がこう呟いた…
「侑人君、これで君の出番は無くなったね…ハハハ…」
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