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魔術師のいる世界  作者: 師走
9/9

12月20日③

京と陽路は特に言葉も交わすことなく、帰宅した。

京はその後ぱっぱと着替えて陽路の家へ。

「…で、今日はどんなのかな?」

陽路が淹れてくれたジャスミンティーを一口飲み、京は言った。

陽路は黙って、包帯のようなものにくるまれた大きな棒状の物を出した。

「これは?」

「…僕の、最高傑作だよ。京にぃちゃんのために作ったんだ。」

「へぇ、どうやって使うんだい?中身を見せてよ。」

「もちろん。あ、せっかくだし京にぃちゃん開けてみなよ。」

「うん。」

京は少し緊張しながら包帯のようなものを解いた。

「…杖?」

そこから出てきたのは、先端に瞳が紫に輝く眼球が一つはめ込まれた、いかにも怪しげな杖だった。

「その通り。」

「こ、この眼球は何なんだ?とても生き生きとしているんだけど…」

「ああ、それは僕の魔術書で作った京にぃちゃんのクローンの眼球。作るのがうまくいかなくって、全てそのまま捨てるのは勿体無いと思って、はく製にした後眼球だけ抉らせてもらったんだ。」

「なんて物騒なことしてるんだ…。ていうか、めっちゃこっち見てるよ!?これはく製だよね!?」

「いやいや、それは京にぃちゃんの魔力の影響だよ。」

「あ、な、なるほど、なるほどね。なんかよくわかんないけど何となく理解したよ、うん。」

「今京にぃちゃん、7回”な”って言ったね」

「あ、うん。」

京のクローンの眼球は、どこか楽しげに輝いていた。

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