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12月19日⑤
幸はさぞ嬉しそうに話し始めた。
「うふふ、実はね~、アタシしばらく旅に出ることになりました~!!」
京はひどく驚いた。
「えぇええ!?い、いつから?」
「うっふふ~、あ・し・た・か・ら♪」
京はさらに驚いた。
「てことで、明日から京くんは一人暮らしで~す。」
「あぁ、そっか。そういうことになるのか…」
少し寂しいな、と京は思った。
「あ、でも安心してね。はい、これ。」
幸は魔法陣の描かれた紙を渡した。
「何これ?」
「その中にアタシの魂のコピーを入れといたのよ。それ使ってアタシのコピーを召喚してくれれば、今までアタシがやってたことをしてくれるわ。ま、所詮コピーだから、完璧にはこなせないと思うけど、そういう時はサポートよろしくね。」
「うん、わかった。」
「いい子ね。で、最後になるけど、一応その中のコピーのアタシにも感情はあるから、物扱いしないでね。」
「うん。」
「よし、長話してごめんなさい、さ、ご飯が冷めちゃう前に食べちゃいましょ。」
「うん。」
こうして、切なくも暖かな雰囲気のなかで、食事は進んだ。