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12月19日③
「ただいま~。」
京がそう言うと、エプロン姿の兄、幸がこちらに走ってきた。
「京くんお帰り~♪今日はもう暗いから、アタシ心配だったのよぉ?」
「ごめんごめん。」
「でもこうしてちゃんと帰ってきたから、許したげる!!さ、早く入って!」
「はぁい。」
京は二階にある自分の部屋に行った。
一階から幸が、「晩ご飯できたら呼ぶからまっててねぇ~」と言っていた。
京は、上着を脱ぐと、すぐさまベッドに寝転がった。そして、目を瞑り、思い出す。
二年前の、自分を。
*
「兄ちゃん、それ、本当?」
中学一年生の京は、兄の発言が信じられなかった。
「ええ。本当よ。京くんは、魔術師なの。ごめんなさい、いままで隠してて…」
「何で!?何で隠してたのさ!!理由があるんだろ!?」
「もちろん理由はあるわ。それは、京くんの魔力が、大きすぎるからなのよ。今までの京くんだと、コントロールしきれないと思ったの。」
「そんな…」