表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

チュートリアル

『チュートリアル』と書いている半透明な画面から声が響いてくる。

それと同時に画面の文字が変わっていく。


『ようこそ、オスタージルへ。

皆様にはこれから、ダンジョンの経営や機能について説明致します。』


機械的な音声が流れてくるが、どっから出てんだ?

てか、本じゃなくてこっちでいいだろ!

無駄に時間使わせやがって!

そんな事を思っていると、画面から音声が続きを話始める。


『まず、自分のステータスを見てみましょう。

《ステータス》と念じて下さい。』


……ステータス?

そんなゲームみたいなのあるのか?

いや、まぁ目の前の画面だって半透明だしゲームっぽいけどさ。

まぁいいや、言われた通りやってみるか。

心の中で《ステータス》と念じると、目の前に背景が白で黒い文字が書かれた画面が現れる。


Name:橘 弥生

Race:魔王

Level:1

P:10000


Skill:《迷宮創作》《魔物創作》《奴属化》


これ本当にステータスか?

何もねーじゃねーか。

それにゲームっぽいのにHPとかMPないのかよ。

……違う。そこじゃない!

魔王ってなんだよ!

英語の所を何て読むか分かんないけど嫌な予感しかしない。

大抵こう言う予感は……。


『分かると思いますが、説明します。

Nameはそのまま、あなたの名前です。

Raceは種族を示します。この世界に転生して頂く際に変更させてもらいました。

Levelはお手元の本で記載した通り、自分とダンジョンのレベルになります。

レベルが上がると表示はありませんが身体能力の上昇やそれぞれの魔王固有のスキルを覚えられます。

尚、不死ではありませんが不老になります。

Skillにつきましては、この後説明させて頂きます。』


ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!

何の為に魔王なんだ!

折角の異世界で人間辞めてる何て嫌だ!

なんでかって?それは……。

……あれ?別に人間である必要は無いのか?

見た目はなにも変わってないし、どうせ悪役ならとことん極めてみるのもありか?

どうせ、ここに居る時点で人類の敵は確定な訳だし、前の世界では死んでるんだ。

この世界に飛ばした奴には腹立つが、第二の人生……魔王生か?まぁ、生きるチャンスをくれたんだ。

思惑通りになるのは癪だが、死にたくは無いし少し面白そうだな……。

やるならとことんやってやろうか。


今後の決意を固めていると、機械的な音声がまた話始めた。


『驚かれた方も居られると思いますが、そろそろ次の説明に移らせて頂きます。

次はスキルについての説明を致します。

スキルは、知識や身体で覚えるなど様々な条件で獲得できます。

既に獲得されているスキルにつきましては、ダンジョンマスター固有の物になります。

説明をさせて頂きますと

《迷宮創作》は、ダンジョン内の構成や罠の設置を行うスキルです。消費するPは、創作する規模や効果の大きさで変わりますので、各自で確認して下さい。

《魔物創作》は、所謂モンスターと呼ばれる物を生み出すスキルです。個性を出すために後程、皆様には生み出す魔物の種類を選んで頂きます。。始めに産み出せる魔物は1種類で、条件を満たす事で増えますので、各自で模索して下さい。

《奴属化》は、ダンジョン外の者に対して直接使う事ができるスキルです。強制的に使うより、相手の承諾を得た方が消費するPが少なくなります。

また、《奴属化》に伴い

マスターへの攻撃無効

マスターである魔王の特徴が現れる。

ダンジョンレベルに応じて、身体能力の上昇。

マスターと同じく不老。

死んでもPにより、復活可能。

ただしダンジョンが消滅した場合、共に消滅

と言った条件がつきます。

これらでダンジョンを作り、強化して頂きます。』


なるほど。

何となく分かったけど、自分で模索しなきゃダメな所もあるのか。

スキルとやらがどんなものか分からないが、あった方が生き残る確率は上がるんだろうな。

それに魔王の特徴とやらもわからないしな。


『では、魔物の種類を選んでもらいます。次のリストから選択して下さい。』


魔物の種類か。

どんな種類があるのか分からないが、これで命運が別れるかも知れないんだ。

それに魔物の特徴もこれに左右されるかもだしな!

ここは慎重に選ぼう。

強そうな奴を選べれば…………。


『スライム種』


「…………は?」


えっ?……えっ?

ちょ!?これだけ!?

選択は!?選ばせてくれるんじゃないのか!?

1つしかないし、それもスライムかよ!


『最後になりますが、ダンジョンは一ヶ月後に出現させて頂きます。出現場所の指定は魔物選択後に、世界地図が表示されますのでそちらでお願いします。

では、ダンジョン経営をお楽しみ下さい。』


「まてぇぇぇぇぇぇぇ!!」







あれから少しの時間が経って落ち着いた。

機械的な音声は無くなり、画面も色んな方向にスライドしてみたが変化はない。


「これはなんの嫌がらせだ?スライムって有名なあいつだろ?ダメだ……倒される所しか想像できない。こんな雑魚キャラでダンジョン守れないだろ。」


これじゃあ、折角の異世界ライフもすぐに幕を閉じるかもしれないな……。

大体、選択肢無いとか可笑しくないか?

でも、『個性を出すために』とか言ってたから皆1つって事もあるのかぁ。

いや、でも選ばせたんだから数種類あって、被らないようにリストに出すって方が可能性は高いな。

なら何で俺は1つなんだ?

ハズレ的な?

……………………今更だな。諦めよう

こんな事考えても意味ないんだしな。

諦め、画面の『スライム種』と表示されている所をタッチする。


『スライム種の創作でいいですか?Yes/No』


1種類しかねーじゃねーか!

イラッとしながら乱暴にYesをタッチする。


『スライム種のみの創作。……適応……確認。

選択した魔物については各自で確認して下さい。』


あぁ……幸先悪すぎだろ……。

確か次は出現場所を選ぶんだったか?

ここは人里離れた所で安全に行こう!


『では、出現場所を選んで頂きます。好きな場所に指定できますが、他の方が指定した場所から一定の範囲は選べなくなりますのでご注意下さい。』


そう表示された後に、パッと画面が変わり世界地図が表示される。

上の方にアレス王国があり、その右側にはキナス公国がある。

更に右側は海があり、上も海になっている。

アレス王国の右下、キナス公国の左下に、シリナ共和国があり、三国を線で結ぶと三角形のようになる。

三国の左側には、広大な森が広がっていて、森の中の一部にシナプス自治領がある。

森全域はシナプス自治領の領地らしく、線で囲んである。

三国とシナプス自治領の下に、ナバル帝国がある。

見た感じシナプス自治領とナバル帝国の領地が広いから戦力が高いのかな?

てか、赤い点がめっちゃあるんだけどなんだ?

点の回りもうっすら赤い円があるし……あぁ、他の転生者か!

多くないか?1、2、3、…………199!?

どんだけこっちに飛ばされたんだ?

俺も入れたら200人か……。もっと居るかもしれないな。

敵対さえしなかったら問題ないよね?うん。

さて、場所選ぶかぁ。

それにしても村とか表示されてないけど無いのか?

山とか川とかも無いし、草原なのか、荒野なのかも分からん。

山の中に作ろうと思ったのになぁ。

無いんだったら、三国方面で遠いとこだな。

…………空いてねぇし!ちきしょう!

やっぱ三国方面が人気だよなぁ。

帝国が一番人気ないな………。

ん?…………帝国って言っても、こんなに広かったら、端の方は軍事力もそこまで高くないんじゃないか?

いつかは来るかも知れないけど、三国方面は国に近い所しか選べないし、自治領の方は森全域で伐採してるのは自治領だけで、そこだけで森全域守ってるにしても、回りに何かしらあるにしても、そんな環境で鍛えられた軍なら質は帝国より高いと思う。

と言うことで、帝国領内の右上に決定!

ポチッとな!


『その位置でよろしいですか?Yes/No』


悩んでも仕方ない!

Yesだ!


『一ヶ月後、ナバル帝国領内、ランバル辺境領付近に出現致します。』


パッと画面が消えて無くなる。

これでチュートリアルもおしまいか。

さて、本格的にダンジョン作るか!

魔物スライムだけど…………何とかなるさ!

まずは、ダンジョンを形にするか!


「よし、早速!『迷宮創作』!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ