人生は呆気ない
今日も今日とて農作業に追われる。
今はネギの収穫時期で中々に忙しい。機械で抜き、篭に積めて作業場に運び、皮を剥いたら箱に積めて出荷…。これを延々繰り返すだけだが、まぁやってみなきゃわからんだろうなぁ。
まだ社会人2年目だけど、今回の仕事は長く続いてると思うよ。
高校卒業して大学に行ったは良いが一週間足らずで退学。事務職に就いてみるも、上司と衝突して半年くらいで辞めた。
その後も訪問販売とか鳶、解体、飲み屋のボーイなどなど色々やってみたけどなんやかんや全部辞めてしまった。我ながら華麗なる転職だと思う。
…………おっと。昔を思い出してる間に終わりの時間だ。
「そろそろあがっていいぞー」
佐藤さんがそう言うと皆、ぞろぞろと帰っていく。
あっ!佐藤さんが、雇い主ね!
「お疲れ様っしたー」
さて、ちゃっちゃと帰って飲みに行きますか!
なんだか知らんが、話があるから来いって事で中学の同級生2人に呼び出された。話ってなんだ?
どうせ下らないんだろうけど、懐かしい奴らと飲めるならいいかなぁ。
仕事場から30分程で帰宅し、風呂に入って私服に着替える。風呂から上がって携帯を見たら、飯食って来んなよ!との事だから少しの間我慢だな。
ここから居酒屋まで20分程度で着く。そして集合時間は10分後…。
「やべぇ!遅れる!」
俺は急いで居酒屋へ向かう為、車に乗り込みアクセルを踏み込んでいく。
信号を所々無視し急いでいると、ピリリリリっと携帯は電話が来たことを告げる。
「チッ!急いでるときに…!」
俺は愚痴りながらポケットを探し、携帯を取り出したが手からすっぽ抜けて落としてしまう。
急いで拾おうして下を向いてしまった。………そう、スピードがかなり出ている状況で完全に下を覗き込んでしまった。
次の瞬間、物凄い音と衝撃を感じた後に意識を手放した……。