合理的お兄さんと楽器であそぼう!
※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。
※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。
今日は「楽器で遊ぼう」がテーマだった。
ヒロは少し嫌な予感を抱えつつ、スタジオを覗く。
タンバリンやリコーダー、鈴やカスタネットなど、
小さな楽器がテーブルいっぱいに並んでいる。
ノアは目を輝かせ、子どもたちに向かって手を差し伸べた。
「さあ、鳴らしてみよう!」
子どもたちは戸惑いながらも音を出す。
ノアは順番に楽器を手に取り、リズムに合わせて一緒に演奏した。
タンバリンを叩き、リコーダーを吹き、鈴を振る。
そして最後にピアノの前に座るノア。
即興でアドリブ演奏を始めると、
子どもたちの奏でる音と、驚くほど自然にマッチしていた。
スタッフも口をあんぐりと開ける。
ヒロは心配していたことをすっかり忘れ、思わず笑っていた。
(……こいつ、子どもとの相性、意外といいのかも)
ノアは楽しそうに笑いながらピアノに手を走らせる。
子どもたちも笑顔でついていく。
こうして、ノアはまた一つ、教育番組での“合理的お兄さん”としての実力を証明したのだった。
収録後、ヒロはつい聞いた。
「なあ、ノア……なんで子ども相手があんなにうまいんだ?」
ノアは少し考え込み、口を開いた。
「子どもって、未知なんだ」
「知ろうとしても、全然分からない」
ヒロはしばらく黙り、そして腑に落ちたように頷いた。
(……なるほど、コイツ、自分の知らないものにただ興味があっただけか)
納得したと同時に、ヒロは少し笑った。
ノアの合理的暴走も、意外と純粋な好奇心に支えられているのかもしれない――と。




