不幸体質のニコは翠眼美少女でした。
※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。
※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。
銭湯からアパートに戻った一同。
ノアは玄関からまっすぐ冷蔵庫へ向かい、缶ビールを一本掴むと、そのまま一気に飲み干した。
「ノア、いい飲みっぷりだな」
佐伯が感心したように言う。
「当然」
いつもの無表情ドヤ顔。
そのまま、ゆるい夜の飲み会が始まった。
ユイは未成年なので、オレンジジュースで乾杯である。
グラスを傾けながら、ユイはふと隣を見た。
「ねえ、ニコちゃんって可愛いのに、なんでいつも顔隠してるの?」
ニコは慌ててフードを押さえた。
「えっ、そ、そんなこと……」
ヒロも腕を組む。
「そういえば、ちゃんと見たことなかったな」
ユイはいたずらっぽく笑い、ニコのフードに手を伸ばした。
「えいっ!」
軽く引っ張ると、フードの下から翠色の瞳が現れる。
大きくて、少し潤んだような緑の瞳。
ニコは耳まで真っ赤になり、慌てて顔を伏せた。
「……緑色の目、きれい」
ぽつりとユイが言った。
ニコはさらに小さくなった。
ノアはそんなニコのフードをそっと戻しながら、妙に真顔で言った。
「可愛いは可愛いで、大変なんだよ」
ヒロが即座に突っ込んだ。
「お前がドヤるな」
ニコは指先をもじもじと動かしながら、小さく言った。
「目を見られると……どうしても緊張しちゃって……」
ユイは真剣に考え込んだ。
「絶対、顔出した方がいいよ!」
「お兄ちゃんのお店の売上も増えるって!」
ヒロは内心で頭を抱えた。
(動機が完全に商業……)
ニコはしばらく考え込み、やがて小さく頷いた。
「……ちょっとだけ、頑張ろうかな」
その言葉に、ユイが嬉しそうに笑う。
誰も気づかないほど小さな決意。
夜の部屋に、静かな笑い声が溶けていく。
――この小さな変化が、後にどんな騒動を呼ぶのか。
この時の彼らは、まだ知らなかった。




