濡れてしまった贈り物
※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。
※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。
ニコは、店員に可愛くラッピングしてもらった小さな箱を胸に抱いた。
「……大事に、しよう……」
嬉しくて、でも少し緊張して、胸の中でそっと包み込む。
店を出た瞬間、空が暗くなり、雨粒が顔に当たった。
「え……?」
気づく間もなく、雨はどんどん強くなる。
ニコは慌ててプレゼントを服の中に入れ、胸にぎゅっと抱きしめた。
「濡れないで……お願い……」
心臓が早くなる。
顔に当たる雨が目にしみて、泣きそうになりながら家路を急ぐ。
道を進むうち、雨は土砂降りに変わった。
靴が水を吸い、足元はすっかり濡れて重くなる。
それでも、手放せないプレゼントだけは胸に抱きしめ続けた。
ようやく玄関の扉にたどり着くと、ノアが待っていた。
「おかえり」
タオルを差し出す。
「お風呂、沸いてるよ」
ニコは精一杯の笑顔を作り、頭を下げてタオルを受け取り、脱衣所へ向かった。
服を脱ぎながら、そっとプレゼントを確認する。
――ラッピングは、雨でぐしゃぐしゃになっていた。
小さな箱は無事だったが、外側はしわくちゃになっている。
それでも、手放せず胸に抱きしめたままだった。
浴室に湯を張る音が静かに響く。
湯船にそっと身を沈めると、温かいお湯が体を包み込んだ。
濡れた服の重みも、心のもやもやも、
すべて溶けて流れていくような気がした。
「……ノア君に、ちゃんと渡したい……」




