表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/102

ご褒美という名のチェキ撮影会

※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。

※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。

数日後。

改修された新衣装は、思っていた以上に早く仕上がった。


「リメイクだからな。元がある分、早い」

子高は当然のように言う。


――で。


なぜか俺たちは、店の片隅で簡易チェキ撮影会をやる流れになっていた。


「報酬だからな」

子高が胸を張る。

「新衣装でのチェキだ」


……嫌な予感しかしない。


「チェキって、一緒に撮るやつだよな?」

念のため確認すると、


「当然だ」

子高は即答した。



まずはニコ。


ニットのハイネックノースリーブは身体に沿いながらも柔らかく、

見た目ほど窮屈さは感じさせない。

その上から、本人希望の猫耳付きパーカーを羽織っている。


「……こ、これで大丈夫でしょうか……」

ニコが不安そうに言う。


「問題ない」

ノアが即座に断言した。


「じゃあ、俺はここだ」

子高がニコの隣に立つ。


距離が近い。


「ち、近くないですか……?」

ニコが小さく抗議するが、


「チェキは密着が基本だ」

子高は一切動じない。


パシャ。


排出されたチェキを、ニコは恐る恐る受け取った。


写真の中で、彼女は猫耳パーカーの袖をぎゅっと握り、

その隣で子高が満足そうに頷いている。


「……私、ちゃんと写ってます……」


その一言に、ニコは小さく息を吐いた。


それだけで、

この一連の騒動にも意味があった気がした。



「次だ」

子高の視線がノアに向く。


「なんで次がノアで当然みたいな顔してるんだよ」

思わず突っ込む。


「報酬だと言っただろう」

「ノアちゃん新衣装チェキは必須だ」


ノアは特に気にした様子もなく、子高の横に立った。

シックな布地が照明を受け、やけに様になっている。


「……なるほど」

ノアは短く呟く。


「このスリットがな!!」

子高が語り出す。


「近い! 語るな、撮れ!」

俺が止める。


パシャ。


チェキを確認した子高は、深く頷いた。


「完璧だ」


……満足そうすぎる。



「で、これで報酬は終わりだよな?」

念を押す。


「これが“格の違い”ってやつだ」

子高はチェキを眺めながら、実に満足げに言った。

「理解できなくてもいい」


……相変わらずムカつくが、

妙に納得してしまうのが腹立たしい。


完全に気持ちよくなっている顔だった。


俺はため息をつく。


「……ほんと、こんなんでよかったのか?」


だが、ニコが新しいパーカーの袖を握り、

ほんの少し笑っているのを見て、

それ以上は何も言えなかった。


この店は今日も、

普通じゃない形で、確実に前に進んでいる。


――多分、それでいいんだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ