【番外編】 子高君、破滅フラグ立ちました!?
※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。
※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。
俺の家には、奴隷がいる。
たくさん。
朝、目を覚ますと部屋は整えられ、
着替えは用意され、
顔を洗えばタオルが差し出される。
不自由はない。
食卓に着くと、長いテーブルの向こうに
ずらりと奴隷が並ぶ。
……座っているのは、俺一人だ。
両親は海外。
兄たちも仕事で不在。
この家で「主人」は俺だけ。
静かすぎる朝食だった。
誰も喋らない。
俺が命じない限り、音すら立てない。
退屈だった。
フォークを置いた瞬間、
あの日のことを思い出す。
大学で、サクラを奪われた日。
正直、サクラなんてどうでもいい。
使えない奴隷だったし、
和食しか作れないし、
すぐに泣くし鬱陶しかった。
それよりも。
あのとき隣にいた、
金髪の女。
整った顔立ち。
華奢な体。
俺を見下ろす目が、忘れられない。
あれから、何度か大学で見かけた。
早瀬紘──ヒロ。
その横を、当然のように歩いている。
笑っている。
気軽に話している。
……俺の奴隷より、
よほど自由そうに。
気づけば、目で追っていた。
気に入らない。
だから調べさせた。
奴隷に命じれば、情報なんてすぐだ。
名前、通学路、バイト先。
「コンセプトカフェ……」
画面を見て、口元が歪む。
なるほど。
客としてなら、話しかけても問題ない。
金を払う立場だ。
対等――いや、上だ!
その日の夜。
俺は一人で店の前に立っていた。
ネオンが眩しい。
楽しそうな声が漏れてくる。
扉を開けた瞬間、
視線を感じた。
カウンターの奥。
あの金髪の女が、
こちらを見ていた。
綺麗な顔で、
作り物みたいな笑顔。
胸の奥が、ざわつく。
――やっぱり、ここにいた。
客として来ただけだ。
何も問題ない。
俺は知らなかった。
この店で、
あの女が一番危険な存在だということを。
そして、
この瞬間から俺は、
“効率よく搾り取られる側”に
回っているということを。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
気に入っていただけましたら、評価やブックマークなどしていただけると励みになります。
作者:しけもく




