第2章 人生を変える海外一人旅1986年
ニューヨーククリエイティブツアーに参加し、テレビ局や大手広告代理店などを訪問した。しかし、女性上位だと思っていたアメリカの社会が、実は女性差別が激しい現実に驚いた。同じ大学を出て、明らかに成績も良く仕事も出来る美しい女性が、同期で入った能力の低い男性より出世できないのだと話していた。日本のマスコミや雑誌で読むような女性上位な社会ではないことを現実行ってみて、現場で話をしてみて初めて知った。ニューヨークには当時日本人が多く、観光地はもちろん5番街でも日本人をよく見た。バブル全盛期。ティファニーにも日本人が幅をきかせていた。ソニーやNECなど、ジャパンブランドが脚光を浴び、世界は日本車にも絶対的な信頼を寄せている時だった。円が1ドル260円から150円に。経済大国へと成長し、ニューヨーカーたちは日本に興味を持ち、タクシーに乗ってもレストランに行っても「こんにちわ」とか「ありがとう」と片言の日本語で声をかけてくれていた。1週間ほどのツアーが終わった後も、知人の紹介でテレビのプロデューサーのジャックさんを紹介され、あちこちを案内してもらうことが出来た。ブロードウェイのミュージカル、ブルーノートやヴィレッジヴァンガードなどで本場のジャズに触れ、近代美術館やメトロポリタン美術館のコレクションに酔いしれた。次にワシントン大学で国際政治学を学んでいる友人宅に転がりこんで、博物館や美術館などを見て回った。驚くべきことに、それらは全て無料で、有名な絵画も手が届きそうな所にある。松下政経塾生だった友人から聞くライブな話は、日本にいたら絶対に耳に入らない情報ばかりだった。




