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第28章 パリのジャパンエキスポ

パリから帰国してすぐ頂いた資料を見てメールした。パリのジャパンエキスポの資料が欲しかった。どこを探しても、どうやって参加できるのかわからなかった。メールをしたのは3月だったが一向に返事はなかった。仕方なくネットで検索し、あるグループが広大なブースを買って100人の参加者を募集しているサイトを見つけた。60万円位のツアーで出店すれば儲けで取り返すことができるというものだった。しかし、舞台に出るにはどうしたら良いのかはわからない。仕方がないので、格安のエールフランスを2席取り、下見に行って、あわよくばどこかで踊ってこようと画策した。ルーブルやエッフェル塔をバックに踊ってきて動画や写真を撮れたらそれで良かった。ところが5月になってメールの返事がきた。和子がメールしたのは国や公的なところの問い合わせ先で民間は違うところがしているのでそちらに連絡してほしいとの事で【元気ジャパン】を教えてくれた。すぐにメールをしたが、なかなか返事はなかった。最近は連絡先の電話番号が無いのかと腹立たしかった。数日たって返信がきた。会いたい旨を伝えたら、やっとアポがとれた。

当初、明子は「働いていた時のお金が800万円はあるので、それで売り出して欲しい」と言っていた。

DVDの制作会社の見積もりは120万円だった。すぐにオーダーしようとする明子を止め、シナリオは和子が書き、映像はテレビの報道番組を制作している人に頼んだ。これで100万円は経費節減できる筈。これから活動費や売り込むための経費はいくらかかるかわからない。800万円など、すぐ無くなるだろう。クリエイティブが専門だった和子には、アーティストを売り出すのに多大なお金がいることぐらいわかる。

芸能事務所は芸能界で活躍している人のギャラで新人の売り込む活動費を稼がなければならない。有名になるまで事務所は、どれほどお金をかけてくれたのか、わからない人は、売れると独立したりする。不遇な時に支えてくれた事務所を裏切ったら、仕事は干されてしまうのはあたり前。たまに、次々人を利用して成り上がる人もいるが。義理人情を忘れたらすぐに梯子を外されてしまう。それほど、育てるのにも、有名にするまでにも多大なお金と人が動いているのだから。しかも、人気稼業。裏切りとか、恨まれるとかはご法度。誠意を込めて対応していても誤解されるのに、支えてくれる人の応援を受けられなくなったら、【人の口には戸を立てられない】と言われるように、すぐ風評被害で足を引っ張られてしまう。昔の芸能人は少々やんちゃな位がよいと思われていたが、最近の清廉潔白なクリーンさを求められているので可哀想な気もするが。特に伝統芸能の世界は厳しい。何かをやると師匠が親がわりに責任を取らされるから。余計に立ち居振る舞いや言葉使い、心くばりや思いやりが必要になる。日本人が忘れかけた様々な物事のこだわりやしきたりは、アメリカナイズされた教育を施された和子たちにもついていけないことが多い。

若い役者や舞踊家たちも、現代の教育と引き継がれた古き良き風習とのはざまで、混乱しているのかも知れない。



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