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その名は『真希ちゃん』

「昨夜もすごくお楽しみでしたにゃ」

「……おはようございます」

「〜〜〜〜!!」


 今朝も、朝から皆さんによる宿屋の接客の洗礼を受けたハルトとリカは食堂へと向かっていた。

ハルトは前世の年齢もあってか、華麗なスルースキルで受け流すことはできるのだが、歳相応なリカは顔を赤くして悶絶している。

いざと言う時は、決断力も行動力も申し分ないリカなのだが、他人の善意や好意といった良感情に対しての耐性は少し低い気がする……

 前世では、苦労して、少し人間不信に陥っていた部分があるからかもしれない……今の生活で克服できれば良いのだがと感じるハルトだった。




「おはようございます」

「おはよう…昨夜もお楽しみ……いや今日はやめておこうか」

「リカが本当に限界なんでありがたいです」


 降りてきたリカの状態を見たメリッサさんが笑いながら朝食を準備してくれた。

本日の食堂も朝から賑わっている。

最近では、他の町からの旅行客も増え、家族連れの姿を見ることが多くなった。


「旅行といっても、あまり華やかな名所とかがないからね…何かこう楽しんでもらえる?何かがあればいいんだけど」

「ふむ…名所にイベントですか……」

「ママ!これすごくおいしいね!」


 思考の海に沈みそうになったハルトの耳にふと、懐かしさを感じさせる声が重なった。

 声の方を見れば、宿泊客であろう親子連れがテーブルについて朝食を楽しんでいた


「ハルトさん?」

「あの子を見てたら……真希ちゃんを思い出しちゃってね…大丈夫だったかなぁ……」


 『如月 真希(きさらぎ まき)』は大黒で働くレジのパートの娘さんだ。

お母さんは午後からのシフトが多く、彼女の仕事が終わる時間前に下校してきた真希ちゃんがお店でお母さんを待っている事があったのでいつの間にかよく話をするようになっていた。



「今日真希はテストで100点取ったのです!」

「凄いじゃないか真希ちゃんはいい子だね」

「にゅふふ」


 そう言って、頭を撫でれば猫のように喜んでいた。

彼女の家は父親が早くに病気で亡くなっており、母一人子一人の家庭環境であった。

旦那さんの残してくれた遺産があり、生活が困窮するほどではないが、母親も真面目に働く勤勉な女性であった。


「へえ〜晴人お兄ちゃんは彼女がいないんだ」

「胸をえぐる素直な言葉をありがとう」

「こらっ!真希!…晴人君ごめんなさいね…お詫びに私が彼女に…」

「じゃあ真希が大人になったらお兄ちゃんのお嫁さんになってあげるね!」

「そうかそれは嬉しいなぁ。ハハハハハハ」

「ええ?真希が晴人君と?!そんな…私が狙って……?!て事は晴人君が義理の息子?!それってアリなんじゃね?」


とても仲良しで、賑やかな親子だった








「真希…あぁ……あのメスガキですか…」


 リカは内心舌打ちした…

リカは知っている…アレは幼女の皮を被った女豹であると。

晴人さんの前では可愛い子を演じて私達の前では敵対心丸出しで牙を剥いていた。

いつもハルトさんを見る目が色欲に染まっており完全にメスの顔をしていた……絶対にあの歳でもう第二性長期を終わらせているに違いない。


 しかし今となってはどうする事もできまい……ハルトさんの綺麗な思い出の中で生き続けるが良い。










「うぅっっ……晴人お兄ちゃん……」


 如月 真希はスーパーダイコクと隣のモールのあった場所に設置されたバリケードのフェンスから晴人達が姿を消した崩落現場の穴を眺めていた。

地震が起きた日、彼女は学校で授業中だったが、教師達の誘導で誰も怪我人が出ることなく避難できていた。

その後、避難してきた母親達はそのままボランティアとして炊き出しや避難者の世話をした為、真希も母親と一緒にその場に残り一緒に手伝いをした。

水や食べ物がダイコクから運び込まれておりそれが晴人の指示だと聞いた真希は彼に対する気持ちが高まるのを感じた……


(こんな時にも……流石はお兄ちゃんだわ!)


 しかし、その晴人本人がいつまで経っても現れなかった。

夕方になって合流した源さんや上野のおばあちゃん達から晴人と梨花に起きた出来事を聞いた………あの日からここに通って二人の無事を祈っている。


 現場では多くの重機と資材が運び込まれており、捜索と復旧の準備が進められていたが、度重なる余震と崩落の危険性から作業はストップしており、難航していた。  


「真希ちゃんや……」


 そんな彼女に声をかけたのは上野のおばあちゃんだった。


「おばあちゃん……」

「すまないね…真希ちゃん…おばあがもたもたしていたせいで晴人に迷惑かけちまって……」

「ううん!そんな事ないよ!晴人お兄ちゃんは絶対に迷惑だなんて言わないよ!!」


 そうだ、私の好きな晴人お兄ちゃんは人に優しい人だもの……

いつも一人で泣いていた真希に飴をくれた…

父親のいない事で友達との間に溝を作り拒絶していた真希の心を受け止めてくれた…

今では友達も沢山できた…

お父さんは居なくても晴人お兄ちゃんが居る…

暗闇に沈んでいた真希を眩しい光で照らし出してくれたお兄ちゃん……


「おばあちゃん…真希もう泣かないよ……晴人お兄ちゃんが帰ってきたら笑顔で迎えてあげるんだ!!」



 真希の瞳から拭った涙の輝きがキラキラと巨大な空洞へと吸い寄せられる様に消えていった。














「すまんなハルト殿」

「いえいえ…ちょうど素材を取りに行く予定でしたから」


 ハルトの隣を歩くのはアカメ達の父親、アラート・シグナル名誉騎士伯である。

シグナル家は代々騎士の家系でこの『シャクテン』の街周辺を収める領主である侯爵家のお抱え騎士なのであった。

 今日はアカメ達と魔の森へ素材の採取へ出掛ける予定であった所に同行を申し込まれたのである。

 同行するのは父であるアラートと妻のエマージェシーの二人だ。


「…お父様…護衛も付けずに大丈夫なのですか?」

「今日は個人的な理由だからな…自分の身ぐらい自分で守れるさ……それにお前たち三人がいれば、危険な事などあるまいよ」

「そうね…貴女達があんなに強くなってたなんてお母さんびっくりしたわ」


 先日の食事会以降、彼女達の家族関係は改善された。

やはり父親であるアラートが彼女達に頭を下げたのが大きかったのだろう。

彼女達も休みのたびに家に帰っているようで、以前に比べて笑顔が増えたような気がする。


「私達は別に…私達が強くなれたのだとしたら、今まで鍛えてくれたお父さん達と私達の力を見つけてくれたハルト様のおかげです」

「いやいや…全ては君たちの努力の結果だよ」

「「「ハルト君♡」殿♡」様♡」

「うふふ…ご謙遜を婿殿」

「あはははは……えっ?婿?」


 一家団欒のような会話がなされているが、ハルト以外の五人はキーラの張った結界の周囲に群がる魔物を次々と仕留めていた。


「次が来たわ……『デビルホーン』が3体!『デモンウルフ』8体!」

「『身魔護ノ詩(ミマモリノウタ)』!!」


 獲物を確認したアカメが告げるとキーラの歌唱術が発動した……全員に身体強化と魔法防御、物理防御の防御特化の効果が付与された。


矢ノ雨(アローレイン)』!!」


 アカメが上空に矢を放つと矢は光を帯びてドンドンとその数を増やした……恐ろしいほどの数に増えた矢が雨の様に魔物に降り注いだ。


「見事なり!喰らえ!『一方通行(フルスロットル)』!!」


 そこに地面を凄まじい力で駆け出したアラートの巨大な剣が魔力を爆発させてデビルウルフを4体纏めて切り裂いた。


「さすが父上!では私も!!『直死ノ一撃(デッドブラスト)!!」


 アオリの姿が魔物達の前から消えて、次の瞬間にはデビルホーンの頭部にナイフが突き立てられていた。

その効果は……『即死』である。


「わあ!アオリちゃん凄いわ!ママも負けていられないわね!」


 エマはデビルウウルフの前に立つと腰の剣を引き抜くと目にも止まらぬ速度での剣閃の軌跡を描いた。


閃光ノ剣・第一速度(アン・フラメ・ノヴァ)


 デビルウルフが細切れのように切り刻まれた。


「うわあ…お母様の剣は相変わらずエグいわね」

「まだスピードがあがるのね……」


 二匹目のウルフが反撃の体制になった……


「『閃光剣・第二速度(ドゥ・フラメ・ノヴァ)』!!」


 が、その姿は既に肉塊へと変化を遂げていた。

残り二匹のウルフがエマを挟み込む。

エマは即座に腰のもう一本の剣を引き抜いた。


「『閃光蒼龍剣・最大速度(トロ・フラメ・ノヴァ)』!!」


二匹のウルフは声を上げる間もなく肉塊へと姿を変えていた。


「流石ねママ!……でもそれじゃあ素材が取れないわ」

「ああ!張り切り過ぎちゃった!!」


 恐らく……シグナル家で最強なのはエマージェシーさんではないだろうか?


「あれは…魔石も使い物にならないわね……」

「まあ…他にも沢山あるから目先の作業に集中しようね?」


  キーラの作り出した強力な守護結界の中にいるハルトは冒険者ギルドで雇った荷物運びのポーター達五人とともに素材の回収を行っていた。


「流石ですね旦那…シグナル家の当主ともこんなに懇意にしているとは…」


 荷運び人のリーダーであるゲイツがそんな事を言う。

ゲイツはこの町で荷運び人のベテランの中年である。

元冒険者の彼は怪我をした事で引退して荷運び人として活動する事にした。

同行しているのは四人とも孤児院出身の若い娘達で仕事を探していた所をゲイツによって荷運びの仕事を教えられているのだ…適正のない彼女達には残された仕事は荷運びしか無かったのだ。

仕事の取れない日など日常茶飯事で日々の生活ですら怪しいことである。

そんな彼女達を不憫に思ったハルトが率先してゲイツに話をして雇用した……こんな少人数で魔の森へ入るなんて……命の危険を感じたが、彼女たちにはもう後がなかったのだ。

 ゲイツ以外の女性である四人にとっては荷運びの仕事は重労働でかなり危険を伴う仕事だと覚悟していた。

 いざ現地に到着してみればアカメ達三人の女性の恐ろしいまでの強さで、周囲の魔物は狩り尽くされた……自分達はそれを安全な結界の中で落ち着いて解体するのである……命の危険を感じずに、魔物の解体もスムーズに行えた為、丁寧で綺麗な状態の素材が幾つも回収できたのだ。

極め付けは……


「お疲れ様……そろそろ休憩にしようか?」


 ハルトさんが取り出したお菓子やご飯が今まで食べたこともないような美味しさだった。


「何ですか?この黒いの……あっまっ!!」

「あぁ…『チョコレート』だよ…今日みんなで採取した『カカーオ』から作れるんだ」

「これ?…パンとパンの間に何か挟んである」

「『ハンバーガー』だよ…そっちは照り焼きでこっちはフィッシュバーガーだね」

「このソース最高!」

「ア、アカメちゃん…そんなに沢山食べたらママの分が……」

「うおおおおお!!うーまーいーぞー!!!」


 気がつけば既にギルドに帰っており、今まで見た事も無い様な金額を手にしていた。

まるでピクニックに来ておいしいものをたくさん食べて、お小遣いをもらって帰ったような感覚だった。


 それ以降ハルトは彼女達を指名する様になりリーダーのゲイツの提案で私たち全員を専属として雇用することになった。

 今回も彼等と共に素材収集に来るのは初めてではない……

初めて来た時は、殺到する魔物に腰を抜かしてしまったが……それを難なく討伐するアカメ達を見て更に腰を抜かした。

 今ではこの群がる魔物を難なく討伐するアカメ達にもすっかり慣れており、結界の中で笑顔で会話しながら解体作業を進めている……慣れって凄いな……


「こんなに楽に素材集めができるなんて凄いですよね」

「安全で落ち着いて素材回収ができるってハルトさんならではですよね」

「慣れちゃったら、他の人達に同行出来ないよね〜」

「これからも専属で雇ってもらわないと……お願いしますね」

「まぁ…みんなの仕事も丁寧だし…こちらからお願いしたいぐらいだよ」


 彼女達が笑顔で魔物を解体してゆく……その周囲では方向をあげる巨大魔物がアカメ達によって討伐されてゆく……


「しかし…あのお嬢ちゃん達……すげぇな…」


 ゲイツは目の前に積まれた獲物たちを見上げてそう言った。

アラートが言うには、本来ならば、騎士団総出で討伐するような魔物も含まれているらしい………一体どれほどの金額になるのか……

チームの女の子達のやる気もめちゃくちゃ高くなっていた。


「それにしても、旦那の用意してくれた『手袋」と『マスク』ってのはいいなぁ」

「そうかな?まぁ衛生面を考えると当然だよね」

「すごく助かってますよ〜手が汚れないなんて〜魔物によっては匂いが落ちないのもいるんですよ〜」

「そうです!凄く有難い事なんですよ!」


 荷運びチームの面々が、次々とそんな言葉を述べた。

喜んでくれているならとても良いことだ……労働環境の適正化も管理者の勤めである。


「ハルト君…今日はこのぐらいにしておこう…」

「そうだね…みんなも今解体しているもので今日は終りにしよう………残りは収納して帰ろう」


 結界の外で狩りをしていた皆が戻って来たので、お茶の準備を進める……


「春人様、私がやりますわ」

「キーラ…特に僕は何もしていないから、これぐらいはさせてよ…それよりも家族の反省会に参加しないとね?」


 納得していないような顔して、キーラがエマさん達と合流して、今日の戦闘についていろいろな意見を出し合っている。

 確実な安全なマージンを考えると、このPDCAは必要である…これが全員の安全と成長に繋がり、ひいては大黒商会の成長につながるのだ。

 

「みんなお疲れ様〜今日はリカの特性弁当だよ」

「わぁ!流石リカさん!凄く綺麗です!!」


 今日はリカの唐揚げ弁当である…お米っぽい食べ物も見つかり生粋の日本人である二人には必要不可欠だった。


「相変わらず美味いな…この『カラアゲ』は…」

「私も手伝う事はありますが…リカ様の様には上手くいきません…」

「大丈夫だよキーラ…リカも『キーラはスジがいい』って言ってたよ」

「わぁ!!今日のドーナツはチョコレートがついてる!!」


 この休憩中は新作メニューの試食会も兼ねている……彼、彼女らの反応を見て味付けや見た目の変更を行う……概ね良好に受け入れられている。


 一通りお茶を楽しんだ後、荷物をまとめると全員で撤収を始めた。



「ハルト殿……少し相談があるのだが」

「アラートさん?どうしました?」


 アラートさんにしては、珍しく何か言いにくそうにしている。

イケおじ困り顔も良いものだ。


「実は我々が仕えているこの辺を収める領主様の耳に君達の料理の噂が入ったらしい……特にお嬢様がぜひにとおっしゃられてな……」

「なるほど……」


 上司の家の娘さんのわがままに困っている……そんな感じかな?


「商業ギルドを通して来訪の依頼が出ると思うのだが……すまないがよろしくお願いしたいのだ……」

「ええ…構いませんよ……メリッサさん達にも伝えておきますね」

「すまない…その…お嬢様は少々…我が強くてな…ご自分の意見を優先させたいお年頃なのだ………」

「我儘なんですね?」

「……いや…お年頃なのだよ……」

「我儘なのよ」

「?!エマ!!」

「なあに?貴方?あんな小娘に文句の一言でも言ってやればいいじゃない……『黙れクソガキ』って!」

「……相当なやんちゃな方なのですね……」


 普段お淑やかなエマさんが嫌悪感を全開にされてらっしゃる……

アラートさんも職場と家庭に挟まれて大変そうだ……

立場ある役職は大変ですよね…わかります

ハルトはアラートの肩に手を置いてそっと涙を拭った。


「帰ったら一杯奢りますよ…お嬢様の件はお任せ下さい」

「ハルトきゅん!」


 後日、アラートはこの時の心境をこう語った。


『……今ならハルトに抱かれても良い……』











「……すまん……王家にお前達の話が伝わってしまった……」


 帰宅するとアンジェリカ様が来ており、開口一番にその謝罪の言葉が飛び出した。


「つまり…?」

「王宮からの召喚状が届いたのじゃ……今まではぐらかしていたのだが……こればかりはどうする事も出来んのじゃ……三ヶ月後に一緒に王都へ行って欲しいのじゃ!」


 あの元気なアンジェリカ様がしょんぼりとしている……そうか……今まで色々と水面下で自分達を守るために頑張ってくれていたんだ……


「アンジェ…大丈夫です…今までありがとうございました…大変だったでしょう?」

「!!ハルト……お前……」


 いつものようにアンジェリカ様の頭を撫でる……『子供扱いするでない』と言いながらグイグイと頭を押し付けてくる……


「これはほんのお詫びです……どうぞ」

「!!なんじゃこれは!」


 ハルトは彼女の目の前に召喚した『ショートケーキ』を取り出した。

アンジェリカはすぐに笑顔になる……やはりアンジェには笑顔が似合う。


「ふぁああああああ!真っ白じゃ!上にベリーが乗っておりゅ!!」

「……王都ねえ……何か厄介な匂いがしますね」


 後ろで話を聞いていたリカがハルトの隣に座り同じ様にケーキにフォークを突き立てた。


「うーん…こんなの食べさせたら絶対『王宮料理人』みたいな感じにされちゃうよね」

「しかしそれは光栄な事なのでは?!」


 後ろのテーブルで同じ様ににケーキを食べていたアカメが発言した……口の周り一杯クリームついてるよ!


「アカメ…それは違うわ……私達が王族に取り込まれたら此処には戻って来られなくなるわ……このケーキも食べられなくなるのよ?!」

「「「!!!!!」」」


 三姉妹に衝撃が走った。


「どうします?姉様……王城に『隕石召喚(メテオスウォーム)』を叩き込みますか?」

「いや…騒ぎが大きくなるのは不味い……私が王族を暗殺……」

「シグナル騎士団を率いて王都を制圧しましょう」

「待って待って!物騒すぎない?」


 急に殺気立った三姉妹に慌てるハルトだった。







「まずは……領主の娘さんの件だよ……」

「ああ……そっちももう止められなかった……すまんのじゃ……」

「いや…こうなる事は予想していたからね……問題ないよ」

 

 権力者からの接触は以前から予測していた……アンジェリカに依頼していた調味料市場の計画が進んだと見て良いだろう。


「領主である公爵令嬢の来訪は一ヶ月後の予定です…では、それまでに準備を進めましょう…アンジェ…明日、商業ギルドに所属する商人の皆さんを集めてくれるかな?」

「明日か……丁度会合があるから……何をする気じゃ?」

「それは……フェスティバルです!」



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