4月15日
一週間と少し経った。
あぁーやめてーーーーーーーーーーー
受験やめてー浪人やめてー勉強やめて―全部捨てて楽になりたいなんで落ちたんだよ
大学生今何やってんだろうな、多分遊んでるんだろうな。
ひどい話だ、かたや報われるかもわからない勉強漬け、かたや大学デビュー人生最盛期、泣きたくなる。
今日の午前の授業は数学だった。講師はあの伏龍と不見部が読んでいた奥谷だ。
入りたてで高一範囲の大まかな復習だったため特にわからないということはないので、彼の教えに感動することはなかった。
しかし彼の授業は面白い、今のところインタレストよりファニーって感じだが授業の合間に挟む小ネタや小話が良い息抜きとなる。他と比べてとても受けやすい授業だ。
そう、他と比べて…
ほかの科目の初めのほうの簡単な問題を解く授業は退屈だ、いや簡単な問題は重要だ、基礎をおろそかにして応用や発展問題を解けるはずがない。しかし重要であるから楽しいとはならない、何を覚えろこれは基本だうんたらかんたら、まぁ俺が理系科目以外を嫌いだからそう思うだけかもしれないが。
そんなこんなで昼になった。昼になったので
公園に来た。
なんで?というと理由は簡単だ、横にいる不見部が話しかけてくるからだ、俺も最初の二、三日は聞いていた。しかしやれ日本は陰謀にまみれてるだ、やれ鉄道は美しいだ言われ、まいってしまい、四日目の昼に公園に逃げ込んだのだ。
その日以来弁当はここで食べている、
ここはいい場所だ、鳥のさえずりや木の葉の揺れる音が聞こえ、浪人生活ですさんだ心が洗われる。老後のおじいちゃんや昼休みのサラリーマン、犬と散歩中の婦人などいろいろな生活を感じることもでき、社会から切り離される浪人生がつかの間の社会復帰を果たせる場でもある。
しかし俺が最もここに通っている理由、それは…
いつもかわいい女の子が定位置に座っているからだ。
年のころは15,16歳くらいだろうか美しいというよりかわいいと表現したほうがいい女の子が、20メートルほど先にいらっしゃるのだ。
四字熟語で表すならまさに天衣無縫、自然あるがままのかわいらしさをお持ちになっている身長が低めでいつも足を少しあえて浮かせてぶらぶらさせながら座っている。
座りながらすることは日によって違う、お弁当を持参しているときもあれば本を読んでいたり、スマホのカメラで何気ない写真を撮っていたりする日もある。
問題は、なぜ中高生であろう彼女が、こんな真昼間に一人で公園にいるのかわからない、ということだ。
この地域の学校は校則で学校に行っている時間は外に原則でれないはずだ、体調不良でもなさそうだし、ひきこもりか?でも外に出てきてるもんな、引きこもってないわな
…
まぁかわいいからいっか。
彼女を見れることが最近の浪人においての心の癒しになりつつある。もうこの際、知らないほうが良いことだと思おう、話しかける勇気もないしな。
そんなことを考えていると学校の創立記念日だろうか、これまたなぜかいらっしゃるクソガキ集団が騒いでいた。
「あの引っかかったボールどうやってとるべ?」