疑惑について
この贈り物を見て考えついたのは義父が不倫相手に贈ろうとしたものを夫が自分に渡した。ということだ。なんでそんなことになるんだ。とは思ったが非常に混乱していてどうすればいいのかがわからなかった。
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どうして義父の不倫相手かと思ったのか。義母の名前はマリ。決してミレイではない。
このミレイという人物は誰なのか、どうして夫は私にミレイ宛のプレゼントを渡したのか。そんな答えが出ない考えに支配された。
もしかして、私が知らないだけで前妻がいた?そう思って戸籍を調べてもそんな形跡はなかった。
私が調べられる範囲では義父に贈り物をもらうような『ミレイ』という人物はわからなかった。
「旦那に聞けばよくない?」
行き詰まった私は友人であるマリナに相談していた。
「いや、聞けないって。亡くなった義父が用意してたプレゼント中身を確認しないで私に渡すような人だよ?絶対誤魔化されて終わるよ」
そう、義父が誰かに贈るために用意していたプレゼント。
それを義父が急死したからといって何も知らないような顔をして私に渡す旦那。
今の私は何を言われても旦那の言うことを信じることができない。
「お義母さんは?」
「えーー???」
それは考えた。でも、もしかしたら不倫相手かもしれない人への贈り物を義母には聞けなかった。
「いや、なんか手紙とかメモとか?それに『ミレイ』って人が出てたんだけどお世話になった人なんですか?って」
「おー、なるほど」
そう言われて思い出した。義父は本の蒐集家だった。本の整理をしていたらメッセージカードを見つけた。という体で聞いてみよう。
「『ミレイ』、めっちゃ気になる。わかったら教えてね」
「教えるからわかるまでは内緒ね?」
そうくすくす笑いながらお茶を飲んだ。
少し進展しそうである。
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