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ノリノリなランツェアイル様




『……誰だ、てめえら――うおッ!?』

『――どうやって入ってき……ッ!?』

『……っ痛ぇ! う、腕、俺の腕があああぁ』

 

 と、このように、ポルソ王都に長年活動を続けていた最大規模の犯罪組織が、あっけなく騎士達に制圧されてしまった。

 凄腕の無法者とはいえ、やはり訓練された正規軍には勝てない。


 何よりアジトを制圧したのは、王都騎士団の中でも、もっとも強いと名高いファライが率いる騎士団。

 犯罪者達は、最初から勝機などなかった。


 縄で縛り上げられた犯罪者達は跪かせられ、私達の前に頭を垂れる。


「……あっけないな。これでもポルソ最大の組織か」


 カタストロフは拘束されている犯罪者達をつまらなさそうに見下ろし、つぶやく。

 よほどヤツらの弱さにご立腹らしい。


「……これじゃ暇つぶしにもならないね。……次の標的アジトの場所は――」

「て、てめえ……どこの勢力だぁ? 俺達の後ろにあの御方がいるとわかってんのかぁ!?」


 既に次のターゲットのことを考え始めているカタストロフに、リーダーらしき男が怒鳴る。

 だが、カタストロフの返事を聞いた彼の顔色は、徐々に青ざめていく。


「あ? エピラック伯爵だろう? 知ってるよあのつまらない腰抜け」

「な――――。……知ってるなら、なぜ……」


 捕えた男の質問に答えることなく、カタストロフは外へと歩き出す。

 その口端はかすかに笑っている。


「次の相手がもっと骨のあるヤツだといいな」


 出口へと向かい、つぶやく第二王子。


「では、後のことは我々にお任せを……ランツェアイル様?」


 配下の騎士達に指示を出し、後処理をしているファライが、私が動かないことに気づいて、声をかける。


 ……困った。

 確かに私は犯罪者達のアジトの場所を知りたかった。

 でも、カタストロフとファライ、騎士達についてきてほしくはない。


 カタストロフの勢いに押されてしまい、私までノリノリになってしまっていた。できれば穏便に済ませたいのに。


 ……仕方ない。


「ファライ」

「ん? どうしました? ランツェアイル様」

「お願いがあるんだけど――」


 苦労人の騎士に、私はニコリと笑い――




二度目の人生でも性格は簡単には変わらない

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