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プロローグ
フィリア=リル=クラネリアはその日、生まれてはじめて恋をした。
それはもう、突然に、鮮烈に。
世界が一気に色づき、胸がいっぱいになる感覚。
どこか切ないような、甘い砂糖菓子のような。
何もかもが初めてのことで、フィリアは戸惑った。
でもそれは、決して嫌な物ではない。
温かくて、優しくて、とても素敵な感覚だった。
フィリア=リル=クラネリアはその日、生まれてはじめて失恋した。
それはもう、突然に、残酷に。
世界は一気に色あせ、胸が破けるような感覚。
どこか滑稽なような、苦い泥水のような。
何もかもが初めてのことで、フィリアは戸惑った。
でもそれは、決して良い物ではない。
冷たくて、意地悪で、とても悲しい感覚だった。
なんだかとんでもない話が始まってしまいました。
初めての投稿なのでとても緊張してますが、楽しんでいただけたら嬉しいです!